私の同志がCFOをしているベンチャー企業が最近、新規株式公開(IPO)を果たした。

このCFOは、元々別の企業(上場企業)の経理部長をしており、その時からのお付き合い。私のセミナーに出てくれた直後に連絡をくれ、「顧問になって欲しい」と言われたのは7〜8年前だと思う。そこから「真の経理部」を作るために一緒に闘った仲である。

大きな目的を達成したら、情熱を失う人もいるが、さらに大きな目標を掲げて突き進みたくなる人もいる。彼は後者だった。別の企業(未上場企業)に転職し、経理部長に就任し、その企業を上場させた。すると、また別の企業(未上場企業)に転職し、今度はCFOに就任し、またその企業を上場させた。

IPOってのは、業績さえ良ければ成し得るものではない。CFOは、経理、決算、開示、法務、人事、システム等のあらゆる体勢を構築し、品質を管理し、運営に責任を負う。多くの企業が「上場したい」といいながら出来ないのは、業績面以外の所でつまづくケースが多い。IPOを果たすということは、すごいことなのだ。そんじょそこらの企業とは内部管理体制のレベルが違う。

彼とは上場準備中の多忙な時期にも何度か飲みに行った。「家に帰ってんのか?」と心配になるほどの忙しさだったし、全身から疲労感や徒労感が溢れ出ていることもあった。思い通りにならないこともあり、不甲斐ない思いを何度もしてきたと思う。私なら心が折れてただろうと思う。それでも諦めずに大きな目標を達成したのは、すごいと思う。

ネットを見ると、東証での上場セレモニーの写真がアップされており、彼も最高の笑顔で写っていた。思わずその写真を右クリックしてPCに保存してしまった。記念に取っておこうと思う。

いや〜、おめでとう。

また次の目標に向かって邁進してください。無理はなさらずに。