マチネの終わりに (文春文庫)
平野 啓一郎
文藝春秋
2019-06-06



平野啓一郎著『マチネの終わりに』を読んだ。。

最近読んだ小説の中でBEST!

フィクションなのに妙にリアル。
美しい話なのに切ない展開。
途中何度「うおー!」「うげー!」と叫んだことか。

どこかで似たような経験をしたことがあるような既視感もあった。

人生もこんなもんだ。
誰よりも深く愛した人と、共に同じ未来があるとは限らない。
むしろ過去の出来事に激しく苛まれることもある。

しかし、人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいるが、
実際は、未来は常に過去を変えている。
そういう話。

残り数ページになって、「終わらないでくれー!」と思った小説は久しぶり。
読後、しばらく余韻に浸ることになった。
切ない。が、また読みたい。
11月に映画化されるらしいので、こちらも観てみたい。


先日読んだ平野啓一郎氏の『ある男』も良かったが、こちらも超オススメ。


「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えているんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」
(平野啓一郎「マチネの終わりに」(文春文庫)P33より)