10年位前に東京で一緒に仕事をしていた同僚とひょんなことから再会した。彼女は、東京を離れ、家業を継ぎ、2代目社長になっていた。私は、組織を離れ、一人で仕事することになった。経営なんてやるとは思ってなかった彼女が経営者になり、経営をしていた私が経営者から縁を切った。人生何が起こるか分からないものだ。

赤字だった家業を社長就任1年で数千万の黒字に転換させたというから大したもんだ。黒字社長塾のセミナーや書籍を参考にしてくれたらしい。今後は数億円の売上を数倍する計画だという。けど、「売上数倍じゃ小さい」「売上の桁が2つ足りない」とも言っていた。「経営者なんてやめて一人でオンラインビジネスでもやった方が儲かるけど、私は実業が好きなの」とも。元から野心家ではあったが、すっかり事業家のマインドになっていた。目標とする経営者はアパホテルの元谷芙美子社長、尊敬する経営者はニトリの似鳥昭雄会長、頭脳派の星野佳路社長(星野リゾート社長)は目指さない、らしい。しぶい。先代は赤字を垂れ流していたとはいえ、才能は遺伝なんだと痛感した瞬間だった。親が事業家でなければ、こんな娘はきっと生まれない。

私と再会した翌日から、また日本中、世界中を飛び回るらしい。彼女も(私が昨日書いたように)会いたい人が地球上にいる限り、どこでもいく。彼女がこれまでに会ったという経営者の名前を聞いたら、多分全員が仰け反ると思う。でも、これが原理原則だ。久々に刺激的な「経営者」に出会った気がする。