都内某所にて、ある経営者向けセミナーに登壇させて頂きました。

ご依頼を受けたテーマは、『バランス経営の重要性』について。

プライベートとビジネスのバランスをどのように取っていくのかという、私としても関心のあるテーマです。

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私は、監査法人時代も独立した後も、色んなものを犠牲にして仕事に打ち込んでいました。独立直後は都内にマンションを借りて、寝る直前まで仕事をし、起きた直後から仕事を再開する、という生活でした。ほぼ毎晩接待漬けで、今より20キロ以上太っており、30代前半にて高脂血症・肝障害・痛風手前・太りすぎて腰痛が治らないというヒドイ有様。それでも仕事に打ち込み、売上高を伸ばし続けることが経営者として正しいことだと疑いませんでした。売上が1億を達成すると、次は2億、3億、5億・・・と上へ上へと目指していくことだけを考えました。

しかし、肉体的な面よりも、精神的な面でおかしくなっていきました。「何のために働いているのか」という根本的なところの意味を問うようになりました。

自分ががむしゃらに働いてきたのは、「お客様のため」ではなく、月末の支払いのためだったのではないか。資金繰りの不安を解消するために「仕事をください」と頭を下げているだけではないか。

自分が作った会社に辞表を出す日がくるとは思ってもみませんでしたが、私は「お客様のため」に働くことを選択し、経営者になることを辞め、再び公認会計士として再独立することにしました。

今、私が大事にしていることは「自分らしさ」を追求することです。

自分がしたいことは何か、自分にしかできないことは何か、そこを一点集中で提供し、お客様の期待を超えること、それがお客様からの「ありがとう」という最高の報酬となってかえってくる。それを繰り返すことが自分の価値の向上となる。

再独立した上に、業務内容を絞りこみましたので、年収は大幅に減ると思っていました。やりたくないことをやるくらいなら年収は減ってもいいと今でも思っています。しかし、がむしゃらに仕事をしていた時代の10倍の年収(年商)を頂いております。がむしゃらに働くことよりも、「自分らしさ」を追求すること、自分の才能を使って仕事をすること、お客様を喜ばせるために仕事をすること・・・を考えていけば、結果として大きなリターンを得られるのではないか思います。

何もかもを犠牲にして仕事に打ち込み、会社を大きくするという働き方を否定するつもりは全くありません。それが自分の価値観に合う働き方であれば、とことんやるべきだと思います。自分の価値観に合わないのであれば、「自分らしさ」を追求すべきだと思います。仕事量と年収は比例しません。仕事とプライベートのバランスを保ちながら、「自分らしさ」を求めていくことが、より幸せになることに繋がるかもしれません。

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そんな感じのお話しをさせて頂きました。
参考になる方がいればと、概要のみ掲載させて頂きました。



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