先日読んだ『宗教と資本主義・国家 ―激動する世界と宗教』という本に、批評家の若松英輔さんが登壇されているのですが、この若松英輔さんの話がとても良かったので、若松英輔さんのエッセイ集を読んでみました。
今日の朝起きてから読み始め、読み終えた時には日が暮れてました。
こういう週末も悪くない。
むしろ、こういう本に出会えたという奇跡に感謝したい。
この本は、以前日経新聞夕刊に連載されていたエッセイを書籍化したもののようです。
1つ1つのエッセイが最高に良い。
心を開くとは、他者に迎合することではない。そうしてしまうと相手だけではなく、自己からもどんどん遠ざかってしまう。むしろ、心を開くとは、自らの非力を受け入れ、露呈しつつ、しかし変貌を切望することではないだろうか。
変貌の経験とは、自分を捨てることではない。自分でも気が付かなかった未知なる可能性の開花を目撃することである。(P86)
自分が「心を開く」ということは難しい。相手に心を開いてもらうということも難しい。自然と心が閉ざされていくこともある。それが自己の悩みやコンプレックスになったり、相手を傷つけたり、はたまた、別れの原因となったりする。
いったい、そうやって同じ悩みを何十年繰り返してきたんだろうか。
若松英輔さんは、『心を開くとは、自らの非力を受け入れ、露呈しつつ、しかし変貌を切望することではないだろうか』という。
言われてみれば、そうだよなぁ〜と思う。
分かる分かる、と今日1日に10回以上、同じ箇所を読み返しました。
打ちのめされました。こういう魂の入ったコトバをさらっと書けるってすごい。
今後何度か読み返すことになる本になると思います。