佐藤優氏が「恩田陸『夜のピクニック』は文学史に名を残す名作だ」というので、読んでみました。

恩田陸さんの本は初めて読みましたが、ボキャブラリーの乏しい私には「すごい」というコトバしか出てきません。

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本書『夜のピクニック』は、ある高校が舞台。全校生徒が80キロを歩くという年に一度のイベント。朝8時にスタートし翌朝8時まで歩くという歩行祭は高校在学中の最も大きなイベントであるだけはない。一生記憶に残るイベントとなるはずだ。

スタートした直後はたわいものない話で盛り上がる。共学の高校生ということもあり恋愛ネタが尽きない。しかし、初日の夕暮れ時に最初の疲れのピークになり、しだいに無口になっていく。無口になっていくということは、言い換えれば考えごとが増えていくということだ。

そんな思考と会話がつなぎ合わせて、本書のストーリーが出来上がっていくのであるが、ページをめくる手が止まらなくなるような驚きの展開であった。

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これ以上書くとネタバレになるので控えますが、読後感は何ともいえない幸福感に充たされました。

『夜のピクニック』は、私にとっても一生記憶に残るイベントになったかもしれません。

名作です。超オススメ。