昨日の監査法人の研修だけではなく、日本公認会計士協会の研修にも登壇することになりそうです。

どちらの研修も、受講者には諸先輩方も多く、正直いってやりづらいものがあります。特に日本公認会計士協会のCPE研修なんて、監査法人勤務の方はほとんど参加しませんから、年配の方が非常に多く、アウェイ感が半端ないし、視線が怖いし、萎えそうになることもある。

が、それでも登壇するのは、どうしても伝えたいことがあるからなのだ!!

それは、公認会計士(特に監査人)というのは、クライアントからみると「頼れる先生」であるということ。私も組織内会計士として監査を受ける立場も経験したことがありますが、組織の中にいると、公認会計士といえど、何かあった時に頼れる人は監査法人しかないのです。その監査法人が親身になって相談を聞いてくれたり、助言をしてくれたら、心の底から有難いと思う。でも、聞いたことに答えてくれなかったり、助言はできないとか言われたり、無視されたり、高飛車で横柄な態度をしてきたりしたらどうだろうか。悲しいし、失望するし、不信感が募る。

私が独立してから、様々な痛い経験もしてきた中で、「クライアントの期待を超える」ということを行動規範の一つにしてきました。クライアントの期待を1%でも超えると「ありがとう」といって頂けますが、少し手を抜いて期待値を1%でも下回ると不信感になり、場合によっては解約となるのです。このプラスマイナス1%の差ってなんでしょうか。ちょっとした「気持ち」の差です。

最近、「監査不信」とかいわれるのは、大きな粉飾決算が相次いだからだけではなく、日常的なクライアントの不信感が粉飾決算を機に爆発したのではないか。だとすれば、「監査不信」を取り戻すにはどうしたらいいかって、監査基準を厳格化することは解決策にはなりません。個々人が「頼れる先生」であるという自覚を持ち、クライアントに依り添い、期待を超える、ということをするしかないのではないでしょうか。不信を取り戻すのは大変ですが、それは過去の過ちを繰り返さぬこと以外に方法はないと思います。

研修のテーマは「決算早期化」だったり「監査効率化」だったりしますが、私がおこがましくも伝えたいことは、そういうことなのです。業界を変えるのは、金融庁でも会計士協会でもなく、基準でもマニュアルでもなく、我々一人ひとりの「気持ち」の問題なんじゃないですかと。