大前研一 日本の論点 2018~19
大前研一
プレジデント社
2017-11-30



最近めっきり会計の基準書などを買わなくなってしまったので、毎年購入する本は、大前研一さんの『日本の論点』シリーズか、池上彰さんの『知らないと恥をかく世界の大問題』シリーズくらいになりました。

いつも年末か年始に大前研一さんの『日本の論点』を読んでいます。

大前研一さんの洞察力、分析力、池上彰さんの論理力、説明力など、勉強になります。

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もう5年前の新聞記事になりますが、そこで孫正義氏がこんなことを述べています。

経営者の最も重要な仕事はドメイン(事業領域)を常に再定義することだ。

日本企業は『本業』という言葉が好きだが、市場が縮小するのに既存事業にしがみつく理由は何か。企業理念を軸に次の戦略を描くのが経営者の役割だ

([出処]日本経済新聞 2012/12/30朝刊、孫正義氏へのインタビュー記事より抜粋)


中小企業への経営コンサルや、経営者向けセミナーをやるたびに感じるのは、この『ドメインの再定義』を怠っている経営者が非常に多いということです。新規事業を立ち上げるという起業家も同様に、『ドメインの定義』ができていない。行先も決めずに旅に出ようとするようなものです(まぁ、それも楽しいかもしれませんが・・・)。

『ドメイン』を決めるには、自分が何ができるのか(経営資源の棚卸)、自分は何がしたいのか(ビジョン・願望)といった内部環境の分析だけではなく、社会・業界はどのような動きになっているのか、消費者は何を求めているのかといった外部環境の分析も不可欠です。『ドメインの(再)定義』を怠っている経営者は、この外部環境の分析が抜け落ちています。

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拙著「社長のための 1年で売上が急上昇する『黒字シート』」のP31において、
モノを売るための「団子3兄弟」
という話を書きました。

モノを売るためには、登場人物は「売り手」(=自社)だけではない。「売り手」と「買い手」だけでもない。「売り手」「買い手」の間に、「社会」という登場人物がいます

モノが売れるというのは、「売り手」「社会」「買い手」の3つの団子が串に刺さった状態をいうのです。良いモノを作って、良いサービスをしているのに売れないというのは、3つの団子が串に刺さっていないのです。

なので、ドメインの決定や、ビジネスモデルを構築する時に、自社目線ではなく、顧客目線、社会目線で俯瞰出来ているかがとても重要になります(出来ていない会社から、出来ている会社へ、顧客は流れるのだと思います)。

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では、この「社会」の動き(=外部環境の分析)はどうやって行ったらいいのか? という質問を非常によく受けますが、決まった方法はありません。「社会」の動きに関心をもつことだと思います。新聞、テレビ、雑誌、書籍・・・など、「社会」の動きを説明した記事は大量に流れています。関心を持てば目に入るし、関心がなければ通りすぎていきます。

大前研一氏の本や、池上彰氏の本を読んだからといって「社会」の動きがつかめるわけではありませんが、関心があればこういう本からもヒントになることは大量に得られます(彼らの書籍に批判する人が多いですが、そういう人達はそもそも本に向き合う姿勢が間違えていると私は思います)。

事実かどうかも分からない新聞などの情報よりも、この道のトップが発する情報の方がはるかに有益ですので、そういう情報を取捨選択してインプットすることが大事ではないかと思います。