『安岡正篤一日一言』(12月18日)より。

多岐亡羊(たきぼうよう)ということがある。

これは羊を飼っておった人が羊を逃がした。
そこで慌てて追いかけた。

隣り近所の人も一緒になって追っかけてくれたが、あんまり岐路が多い。
いわゆる多岐である。

岐路が多くって、あっちへ行ったこっちへ行ったと言っているうちに、どっかに行っちまってわからなくなった

人間もそういうもので、あんまり仕事が多くなると、肝腎(かんじん)なものがどこに行ってしまったかわからないようになる。

人間というものの本質、人間の使命、人間の幸福、そういったものがわからなくなってしまうのである。


「忙しい」は、「心」を「亡くす」「亡びる」に分解できます。
「Business」の語源は、「Busy」だそうです。

仕事に追われると自分を見失う。

『岐路が多くって、あっちへ行ったこっちへ行ったと言っているうちに、どっかに行っちまってわからなくなった。』というのは、私も何度も経験したことがあります。

岐路が多くなった時や、やるべき仕事が多くなってきた時こそ、「優先順位付け」「タイムマネジメント」(=第2象限に一点集中)が大切です。何をやるかより、何をやらないかを決めることも大切だと思います。ネットを遮断する、スマホを見ない、テレビを見ない・・・なんてことをやるだけでも、一点集中する時間はたっぷり確保できるものです。「一点集中」する時間の濃さが、人生の濃さではないかと思います。