本屋さんで見付けた雑誌(季刊誌)。
初めて買った雑誌ですが、なかなか面白かったです。

「作家、研究者、書店員・・・本を読むことを生活の中心に置き、本を愛し、本とともに生きるプロフェッショナルたちが選び抜いた理想の本棚をのぞいてみよう」
という『わが理想の本棚』という特集のキャッチに惹かれました。

この特集で登場する人は、存じ上げない人も多かったのですが、「こういう人は、こういう本を読んできたのか〜」なんて思いながらページをめくっていきました。人それぞれ出会った本が全然違い、1冊の本がきっかけで人生が編み出されている。資生堂名誉会長の福原義春氏が自著の中で、「私という人間は今まで読んだ本を編集してでき上がっているのかもしれない」と書いていたことを思い出しました。

池上彰さんの「私をつくった10冊」(P12〜)は、意外な10冊でした。うち9冊が学生時代に読んだというものでしたが、私は1冊も読んだだことがない本ばかり。

福岡伸一さんの「動的均衡を哲学する本棚」(P38〜)を読んで、カズオ・イシグロの作品の世界観が分かりました。なぜ福岡ハカセが西田幾多郎の本を書いたのかも。

故 井上ひさしの三女が父の本と書棚にまつわるエピソードを語っているページもあるのですが、これは絶句、驚嘆。本の請求書が月700万円になったこともあったようです。

父は執筆のために読む、あるいは個人的な楽しみのために読むといった境界線を引くことはしていませんでした。そういうレベルを超えて無性に本が好きで好きで仕方なかった。
(略)
ほとんどの時間はなにか活字を読んでいました。一人図書館です。インターネットが普及しても、まるで関心がありませんでした。

私はこういう人に惹かれます。