LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
リンダ グラットン
東洋経済新報社
2016-10-21



序文から衝撃。

2007年に日本で生まれた子どもの半分は、107年以上生きることが予想される。いまこの文章を読んでいる50歳未満の日本人は、100年以上生きる時代、すなわち100年ライフを過ごすつもりでいたほうがいい(下線は武田)

本書の原題は“THE 100-YEAR LIFE"(100年ライフ)。
著者のリンダ グラットン教授は、日本政府の「人生100年時代構想会議」の有識者にも起用されている方です。

寿命が延びれば、働く期間が長くなる。貯蓄の重要性も高まる。家族、友人関係、スキル、知識、健康といった「無形の資産」も充実させなければならない。あらゆる事態に備えておかなければなりません。

長寿化時代になるといっても、誰もが100歳まで生きるわけではありません。豊かな人は、貧しい人より長く生きるというデータがあります(P388〜参照)。低所得者は高所得者に比べて平均寿命が短いのです。富裕層の方が、スキルのキャッチアップ、イノベーションへの対応、ストレスへの対処ができる能力が高く、健康的な生活を送る能力が高いからだといいます。

この「不平等」の原因が、健康、教育、人的ネットワーク、貯蓄への投資量の違いにあるとすれば、さまざまな投資への重要性が増す時代に突入したといえます(これがさらに格差を拡大する恐れもある)。

100年ライフを生きるために、何をしなければならないのか。多くの気づきが得られた一冊です。沢山の健康本と共にベストセラーにランクインしている理由がよく分かりました。