こりゃすごい本。
1000円位の本だけど、読む人によっては1000万円の価値あり。
ページをめくるのがワクワクするマーケティングの本は初めて。
マーケティングの神様と称されるフィリップ・コトラーの提唱する伝統的マーケティング(管理マーケティング)に立脚している古い理論やモデルが、マーケティングの現場で「呪縛」となっており、これが御社の商品が売れない本当の理由だと。
本書は、国内初の住宅リフォーム仲介サイト「ホームプロ」を立ち上げ、利用実績No.1のネットサービスにまで育てあげた著者の経験を踏まえ、「19の呪縛」を取り上げ、その呪縛の鎖を解きながら、「実践マーケティング」の視点・手法を解説してくれています。
その内容には、ある種の感動さえ覚えました。超オススメです。
以下は、私のメモ書きです。本書を読まれる際の参考にでもして頂ければ・・・。
(本書の文言・要約とは異なり、あくまで私のメモ書きです。)
■発想についての呪縛
1.マーケティングは、「利益を上げること」ではない
→事業の目的は「顧客の創造と維持」である
2.マーケティングは、営業部だけの仕事ではない
→企業のすべての部門が担うものである
3.マーケティングは、「売ること」ではない
→売らなくても売れるようにすることである
4.マーケティングは、「商品ありき」(プロダクトアウト)ではない
→「顧客ありき」(マーケット・イン)である
5.顧客が求めているものは「商品」ではない
→商品のもたらす恩恵の期待を買うのである
6.「サービス」は「商品」のおまけではない
→「サービス」こそ購入されるものの中心である
■計画についての呪縛
7.マーケティングは、市場調査ではない
→世の中にないものは聴いても分からない
8.マーケティングは、幅広いターゲットを狙うことではない
→ターゲットを絞り込む必要がある(Targeting)
9.「よければ売れる」というものではない
→ポジショニング(Positioning)、差別化、USPが必要である
10.広告宣伝がマーケティングそのものではない
→砂漠に水を撒くようなことになりかねない
■実践についての呪縛
11.「戦略」で勝負がつくとは限らない
→戦略がなければ無謀、戦術がなけば無力
12.「計画」は精緻に立てればいいというものではない
→「計画」と「実行」は循環する
13. 「結果」がすべてではない
→過程の品質も問われる
■人間についての呪縛
14.顧客は分かって買っているとは限らない
→ほとんど無意識で行動している
15.顧客を説得すればよいわけではない
→人は感情、好き嫌いで買い物する
16.顧客の真実(認識している対象)は一つではない
→科学ととらわれた「客観世界」だけで判断しては謝る
間主観性・間身体性に基づくありのままの「生活世界」が大切
17.顧客はいつでもどこでも同じではない
→状況・文脈・環境により変わる
■コミュニケーションについての呪縛
18.顧客はことばのキャッチボールをしているのではない
→コミュニケーションは、
同時多発的に次々と入れ替わる送り手と受け手による共創である
19.顧客は対象そのものだけを学んでいるわけではない
→顧客の学習段階に合わせなければならない