死ぬほど読書 (幻冬舎新書)
丹羽 宇一郎
幻冬舎
2017-07-28



元伊藤忠商事社長、元駐中国大使の丹羽宇一郎氏の新刊書。

読書好きによる、読書好きのための、”読書を語る”的な本は、これまで何十冊と読んできました。読書なんて、読書が好きだという人が、自分が好きな時間に、好きなように読めばよく、あるべき「読み方」なんてなく、食事をするようにただ楽しめばよいと思います。

だけど、自分よりも遥かに多くの本を読んできたであろう方が、”読書を語る”的な本を出版されると、中身が気になって読んでしまう・・・。書斎を覗き見するような、そんな感覚で。

以下、備忘録として。

・人間にとって一番大事なのは、「自分は何も知らない」と自覚することだと私は思います。(P17)

・「無知の知」を知る。読書はそのことを、身をもって教えてくれます。(P17)

・「雑草には麦の養分を奪い、麦を枯らす。すなわち悪書は読者の金と時間と注意力を奪う」(ショウペンハウエル)(P32)

・人がいくらいいといっても、関心のないものは一生懸命に読んでも頭に入らない。蒙を啓く(ひらく)内容だといわれても、基礎知識がなければ理解できない。(P35)

・私がこれは大木だと思っている本でも、人からすれば雑草かもしれない。逆に人がこれはりっぱな本だと考えている本が、私にとっては雑草にすぎないかもしれない。(P35)

・最近、ある週刊誌の取材を受けて、その週刊誌を久しぶりに読んでみたのですが、そのくだらない内容に驚きました。(略)どうしてそうなるかというと、大衆の関心は他人の不幸を見聞きすることにあり、心のなかは「ねたみ、ひがみ、やっかみ」に満ちているからではないでしょうか。(P76〜)

・ネットの情報は週刊誌よりも、もっと断片的な細切れのものばかり。(P78)

・楽しいから読む。わくわくするから読む。心が潤うから読む。そういう気持ちで読むから本はいいのです。読書は無償の行為ゆえに無上の値打ちを持っているのです。(P100)

・私は40年以上、夜、寝床に就く前に、毎日欠かさず30分以上の読書を続けてきました。(略)その習慣が途絶えたことは1日たりともありません。(P104〜)

・私の場合は、(略)線を引いた箇所の多くは、後で必ずノートに書き写すわけです。(略)ノートに書き写す作業は、けっこうな時間がかかるので、週末の休みを利用したりしています。(略)読書は目だけではなく、手も使う。これはとても大事なことです。(P109)

・一つでも、二つでも心に刻まれる言葉があれば、儲けものと思ったほうがいい。(P145 )

・読書をするときに大切なことは、丁寧に読むというより、いかに集中するかです。(略)いざ読み始めると、どうも興が乗らない。そこを無理して読み進めても、あまり頭には入ってきません。そういうときはいったん本をおいて、別の本を読み始めたりします。(P114)

本は、基本的に身銭を切って読むものだと思います。(略)興味のある本を読むためなら、いくらお金を使っても惜しくはない。これだけは自分に許された最高の贅沢だと思っているのです。(P116〜)

・人生というものは、問題があって当たり前。問題のない人生など、どこにもない。問題がなくなるのは、死ぬときです。(略)どんなに苦しい状況に陥っても、それは天が自分に課した試練だと私は思っています。そこから逃げることなく、正面から受け止めてベストを尽くせば、必ず知恵と力が湧いてきます。思わぬ閃きも生まれる。そうして不可能だと思っていたものに、光が見えてくる。その源泉となるのが、読書と経験です。(P140〜)

数年前、「情熱大陸」で林真理子さんが出演された時に、「お金を持てるようになって良かったことは、あの国に行きたいといったら行けるし、あの本買いたいといえば買えることくらい」というようなことをおっしゃっていたのですが、これはホントに同感です。丹羽宇一郎氏も書籍代にはカネを惜しまないと書いていましたが、私も書籍代にはカネを惜しまないようにしています。ただ私と違って、丹羽氏は積ん読をしない(P119〜)、自分の預金口座にいくらの預金があるか知らない(P116)らしい。「読書」と直接関係ない話ではあるものの、上場企業の社長・会長にまで登り詰めた方が自分の預金を知らない(ワイフに委ねている)とは驚き桃の木。

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