先日、「スタートアップのジレンマ」というエントリーをしました。起業直後は、売上を上げるために、会社の経営理念や起業家自身の価値観と合わない仕事をやらざるを得ないという「ジレンマ」に陥ることがありますが、「なんでもやる」というハングリー精神をもって先ずはキャッシュフローを安定化させるべきだ、という私の考えを述べました。

これを書いた翌日に、ある公認会計士の方から連絡を頂きました。

来年からの独立を考えているのですが、丁度私も今この問題に直面しており、「武田先生ならどうお考えになるだろう?」と日々悩んでいた所でした。まさかブログでお考えを書いてくださると思いませんでしたので、思わず連絡してしまった次第です。

そんなことを思って頂いていたとは、嬉しい限りです。

この公認会計士さんから、以下のような質問(悩み)を頂きました。
「(自分の専門分野かどうか以前に)ポリシーや考え方と合致しない仕事、なんとなく合わない人との仕事とはどう向き合うか」という悩みもあるのですが、ぜひお気が向きましたらその辺りもご教示いただけたら大変嬉しく思います。

これは、上のエントリーで、「ある一定ラインを超えたら、自分の専門分野以外の仕事は削ぎ落していき、いずれは専門分野に特化すべきだ」と書いたことに関連してのご質問かと思いますが、結論から言いますと、私の場合は、ポリシーや考え方と合致しない仕事などはお断り致します。

とは言っても、これまで何度も「例外」を作ったことがありました。しかし、その度に「自分らしさ」を失い、「どん底」をも味わうことになるのです(これについてはこちらのエントリーもご参照ください)。初めから「原則」に従っていれば、「どん底」を味わうこともなく、もっとバリューアップできたかもしれません。

物事がうまくいかない原因は愛と感謝の欠如だと思っています。逆に言えば、依頼主に愛情が湧かないとか、依頼されたことに心の底から感謝の気持ちが持てないとか、そういった場合は受嘱しない方が良いのです。

それによって一時的に売上が下がるかもしれませんが、バリューアップできる仕事に没頭し、さらに自分の専門性や価値を高めることが、大気圏を突き抜ける最短ルートだと思います。


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