もし、自分の働いている企業で重大な不正行為がなされていることを知った場合、自分ならどうするだろうか。倫理に反する行為を黙認すれば自分が苦しむことになる。かといって、不正を告発すれば職を失うかもしれない。「内部通報」を保護しなければ、悪が裁かれず、苦しむ者も救われない。

これが、「企業」ではなく、「国家」だった場合、どうなるか。場合によっては、国家の裏切り者として罰せられることになる。しかし、それでも自らの正義感を貫き、29歳という若さで「史上最大の内部告発」をした男がいる。そう、NSA(米国国家安全保障局)職員だったエドワード・スノーデン

昨夜、ちょっと時間があったので、映画『スノーデン』を見に行きました。実話を基にしたストーリーなので面白い内容ではありませんが、そこは流石のオリバー・ストーン監督。スノーデンが恋人と出会い幾多の試練を乗り越えていくというヒューマンドラマに仕立てる。

ニコラス・ケイジが脇役で登場するという演出も驚きましたが、アメリカ政府が対テロ諜報活動の名のもと、世界中のメールやfacebookやPC内臓カメラ、そして国民の生活を「覗き見」していたという「事実」には改めて驚かされました。そして、スノーデン自身の私生活をも「覗き見」されていたということもにも。スノーデンも過度のストレスに蝕まれ、体に異変が現れてくる。

スノーデンは、「内部告発」をすることを決断し、NSAの最高機密を盗み出す。職を失うことも分かっていた。情報漏洩の罪に罰せられることも分かっていた。アメリカ国内にはいられない。家族や恋人とも別れなければならない。命が奪われるかもしれない。それでも告発した。2013年6月6日のことだ。

香港にいたスノーデンは、パスポートを失効されアメリカに戻れず、現在もロシアで暮らす。映画の最後、(正確な表現は覚えていませんが)ロシアにいるスノーデンが『心の声に従ったから、自由になれた』という趣旨のことを言っていたことがとても印象に残っています。

自分の『心の声』に従うということは、簡単に思えて、簡単なことではない。一つのことを得るためには、失うものもある。それでも、正義感を貫いて、信念を貫いて、『心の声』に従って行動するということは素晴らしい。それが『自由』なのだ。29歳でそこまでの正義感を貫いた人がいるということは心に留めておきたいと思います。