先日紹介した”飲茶”なるペンネームをもつ哲学者が書いた『史上最強の哲学入門』 (河出文庫)が、想像以上の「スゴ本」だったので、別の飲茶本を読んでみました。

本書は『史上最強の哲学入門』よりも後に書かれた本。

『史上最強の哲学入門』は、哲学の世界に「縦串」を刺して、哲学の「断面図」を大局的に俯瞰させてくれた本。具体的にいえば、「真理」、「国家」、「神様」、「存在」というテーマで縦串を刺し、絶対的な真理なんて存在するのか?、どうして働かなければならないのか?、神とは何か?、存在するとは何か? ということを追究した哲学者の思考を明らかにしてくれた。いかにも”哲学的な”古めかしいテーマではあるが、”哲学する”という「格闘」の歴史がこれほど分かりやすく書かれた本はないと思います。

他方、本書『14歳からの哲学入門』は、哲学の世界に「横串」を刺して、哲学の「時間軸」を大局的に俯瞰させてくれた本。いわゆる「哲学史」といわれる類の本ではあるものの、巷にあふれる類書とは違う別格の面白さ。哲学書なのに難しい用語は殆ど無いばかりか、「喋り言葉」で解説してくれているのがまた面白い。

哲学の世界に「横串」を刺した著者は、「次の時代の哲学として考えるべきテーマ」についても「私見」として述べています。「暇の哲学」ともいえるこの新しい哲学は、個人的に大きく共感できました。詳しくは本書をご覧下さい。