「出たら買う」、橘玲(たちばなあきら)氏の待望の新刊書。

これまでに上梓された橘玲さんの小説『マネーロンダリング』、『永遠の旅行者』、『タックスヘイヴン』といった金融小説っぽいテーストとは異なり、今回のテーマは「ダブルマリッジ(重婚)」。

大手商社に勤務するエリート部長が、パスポート更新のために娘に戸籍謄本を取りに行かせたところ、婚姻欄に妻の名前と並んでフィリピン人の女性の名前が記載されていた・・・という驚きの話から始まります。

ちなみに、本書の最初のページには、「これは架空の物語だが、戸籍に関する記述はすべて事実に基づいている。」と記載されています。重婚は日本では違法ですが、複数の妻が戸籍に記載されることがあり得るし、そのようなことが実際に起きているようです。日本人の夫とフィリピン人の妻との間に生まれ、フィリピンに残された”JFC(Japanese Filipino Children)”の数は、3万人とも10万人とも言われており、フィリピンではJFCに日本国籍を取らせる代行業者があるといいます。

冒頭から「え? まじで??」 という話の展開が続き、今回もページをめくる手が止まらず、最後まで一気に読みました(そして、週末の日が暮れた・・・)。クライマックスは意外な結末に。

今回も、前作『タックスヘイヴン』同様、ストーリーの内容・展開はめちゃくちゃ面白く、取り上げられているテーマ(問題)は奥が深い。かつ、海外での舞台(今回はフィリピン)の描写が凄まじい。現地を自分の足で歩かなければ絶対に書けない描写。主人公の娘と父親が訪れたフィリピンの場面を追体験できるように、橘玲さんのサイトで「フィリピンPHOTOツアー」がアップされておりますので、こちらと一緒に読めば尚一層楽しめると思います。