相変わらず、独立・起業の相談が多い。

先日、『やがて哀しき起業家たち』というエントリーをしましたが、ここでも書いたとおり、私は「起業なんて安易にするもんじゃない」と思っています。だから、独立・起業ができないと思う人に対して、根性論で背中を押すというような無責任なことはできない。

私は声がデカイ人とか、うるさい人が苦手なので、厚切りジェーソンって方が苦手なのですが、彼が某誌において「自分の価値が相手にどれほど貢献できているかで決まるから、勉強して自分の価値を高めないと、給料も増えない。それがすべてですよね。」と言っていたのには激しく同意しております。私は、自分のバリューと年収は収束していく、と考えてます。

だから、こんなこと言っちゃナンですけど、独立・起業後に生きていけるのかどうかという心配はするだけ無駄で、厚切りジェーソン氏が言っているように、自分の価値が相手に貢献できるかどかで決まっているわけです。



独立・起業する人が本当に悩むべきことは、(1)「事業ドメイン」(=何をすべきか)と、(2)「ビジネスモデル」(=どうやって儲けるか)ですが、多くの起業家はこの2点を考えてない。

拙著『社長のための 1年で売上が急上昇する「黒字シート」』という本に、以下のような図(ワークシート)を載せています(P102)。

▼事業ドメインの決定
ビジネスシナリオ事業ドメインの決定


この図は、「事業ドメイン」(=何をすべきか)を決定するためには、「求められること」、「したいこと」、「できること」の3つの輪が重なっているところを見なければならない、ということを示しています。「したいこと」だけをやってもダメだし、「できること」だけをやってもダメ。しかし、多くの独立・起業志望の方の話を聞いていると、「・・・がしたい!」、「・・・ができる!」ということはハッキリとしていますが、「それって社会から求められていますかねぇ・・・・・・???」となることが多い。独りよがりなプランニングでは、おそらく失敗すると思います。


和式の便器はどんなに頑張っても売れません。


そのため、「事業ドメイン」を決定するにあたっては、「したいこと」、「できること」といった内部環境考察よりも、「求められること」という外部環境考察が重要です。

「内部環境考察」→「事業ドメイン」の決定、ではなく、
「外部環境考察」→「内部環境考察」→「事業ドメイン」の決定、というモノの見方・考え方が必要です。

私が黒字社長塾をはじめたのも、バックオフィスサービスをはじめたのも、事業をはじめた時にそういったサービスが求められていたからであり、私の方から社会に適応して行ったわけです。



「事業ドメイン」を決めたら、「ビジネスモデル」を決める。

「ビジネスモデル」を決めたら、あとはやるだけ。弾を撃ちまくるだけ。大量行動です。

「ビジネスモデル」を構築せずに大量行動を起こすと、失敗します。

「ビジネスモデル」を構築しても、世の中、そんなにうまくいかないものです。
成果を上げるには「しつこさと 切なさと 心強さ」も必要です。



【関連記事】
2014/7/4 起業して学んだ20個のこと