会う人、会う人から「忙しそうですね」と言われますが、私は「忙しい」という感覚は全くありません。



しかし、西表島から帰ってきてからは、何かおかしい。
特に仕事が溜まっているわけではないのに、時間に追われているような気がする。
そして、何かを半周遅れで追いかけている感じがする。

それでも「忙しい」とは思わないけど、普段と明らかにペースがおかしい。
ラットレースのラットになった気分だ。
時差はないのに、時差ボケになったような疲労感。

これまで長期の旅行に行ってもこんな感覚になったことはないのに、何が起こってしまったのだろうか・・・??



理由も分からず数日間を過ごし、ようやく理由が分かりました。



成毛眞さんの新刊書『大人はもっと遊びなさい』 (PHPビジネス新書) を読んでいる時に、こんなことが書かれていました。

先日、五日間かけて東北を車で旅行した。昼間はずっと運転し、宿に着いたら風呂に入って食事をして寝て、翌日になったらまた運転。その繰り返しで、初めての土地でさまざまなものを見て刺激を受けていたにもかかわらず、フェイスブックの更新を怠った。つまり、アウトプットをせずにいた。

さて、旅行を終えて家に帰り、仕事をしようと思ったところ、まるで頭が動かない。運転し過ぎで疲れてるのか、遊び過ぎて疲れているのか。

どちらも違う。ちょうど五日間、いわば惚(ほう)けていたのだ。アウトプット、つまり、考えてまとめて記すという行為をしていなかったため、頭が弛緩してしまったのだ。これには本当に参った。(P44〜)

この部分を読んだ時に、私の症状も「まさに、これやん!」と思いました。

西表島にいる間、アウトプットどころか、インプットも怠った。正確には、怠ったというよりも、ネットに繋がらなかった。西表島で泊まったホテルは、ロビーしかWi-Fiが繋がらなかったのです。「今どき部屋でネットが繋がらないの?」って思ったのですが、ここはジャングルとマングローブの島。仕方ない。ケータイも電波が悪い。ロビーに行けばWi-Fiが繋がると言われても、実際にロビーにノートPCを持って行って・・・って面倒なことはやってられない。なので、西表島にいた数日間はネットを断絶しました (1時間だけロビーに行ってブログを更新したけど)。

今から思えば、これがダメだった。

この十数年、アウトプットはネットを通して行なっていたが、これを断ってしまった。1のアウトプットをするのに、10のインプットが必要だが、それまでも断ってしまった。アウトプットを怠ると、インプットの質も低下する。これを数日続けただけで、1のアウトプットをするのに相当苦労してしまった。



今回の件、どーでも良い話のようですが、2つことに改めて気付かされました。

1つ。
私の仕事は「慣性の法則」で動いているということ。
静止している物体は静止し続ける。ある速度を持って運動している物体はその速度で運動し続ける。一旦静止すれば動き始めるのに大きなパワーが必要だが、一旦動き始めると(摩擦がない限り)一定の速度で動き続ける。つまり、大量の仕事をさばくためには、同じ動きを止めてはならない

2つ。
アウトプットは、「(大人の)遊び」だということ。
これは成毛さんの本を読んで唸ったところ。アウトプットを、仕事とか、人生とか、義務とか、強制とかって思いながらやっている人は動きが止まるはずです。ビジネス系のブログの大半が途中で止まるのも、そういうことかと。遊びと思って楽しんでやるアウトプットは最強であり、無敵である



気付きはモレスキンにメモです



ちなみに、『大人げない大人になれ!』 (新潮文庫)という本がとても面白く、それ以降、成毛眞さんの書籍も出版されたらほぼ買ってます。成毛さんも、仕事が遊びで遊びが仕事という方ですね。