最近、健康本を読み漁っていたところ、『生涯健康脳』という気になるタイトルの書籍を見付けました。

著者の瀧靖之さんは、「脳」の研究をされている医師で、これまで脳のMRI画像を約16万人分も見てきたようです。



ちょっとだけ、医学的な説明をします(詳しくは、本書第3章を参照)。

脳は、年齢にともない少しずつ「萎縮」するものだそうです。そして、「萎縮」が進むと、記憶が失われていく「認知症」になるおそれがある。

「認知症」には、以下のような症状が出ます。
  (1)脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳の血管の障害
  (2)パーキンソン病のような手の震えなど
  (3)アルツハイマー病(脳の神経細胞のダメージ)

難しい話はこれくらいにしておきますが、脳の「萎縮」は、ヤバイということは分かります。

ただし、

(ここが大事だと思うのですが)
脳の「萎縮」は加齢によって起こる現象ですが
「認知症」は老化現象ではない
とのこと(P58〜P59)。

つまり、予防できる。

いや、予防すべき。



では、「認知症」をどうやって予防するのか。

認知症患者が回復したという「ユマニチュード」という手法が紹介されてます(P70〜)。
これを、簡単にいえば、「人間としての尊厳」を大切にするケア手法。

もっと簡単にいえば、「人間らしさ」を大切にする。

例えば、優しく話しかけてあげるとか。

すると、脳が活性化するとか。
ホンマかいな、という話ですが、色んな臨床実験の結果も書かれてますのでウソではないはず。



では、「人間らしさ」とは何か。


本書に書かれていることを、ざっくりと抜粋すると、

 ◯ 1日30分程度の有酸素運動 (歩くだけでも良い)
 ◯ 充分な睡眠
 ◯ 規則正しい生活
 ◯ 知的好奇心(探究心、冒険心、追求心)
 ◯ 趣味を持つ
 ◯ 人とのコミュニケーション
 ◯ 音楽(聴く、歌う、演奏する)


逆に、脳を萎縮させる行為は何か。

 ✕ 飲酒
 ✕ 肥満
 ✕ ストレス
 ✕ 心の傷(トラウマ、PTSDなど)

  

結局のところ、
「生活習慣」の改善が、科学を超え、遺伝子も超える
ということでしょうか。

遺伝子の権威 村上和雄先生も、吉本興業と組んで「笑い」が遺伝子に与える影響について研究されてましたね。

「人間らしさ」を大切にする、脳が喜ぶことをやる、ということが予防医学につながるのかもしれませんね。



▼こちらもオススメ
村上和雄著 『アホは神の望み』