思想界の巨人・吉本隆明氏について調べていたところ、本書のようなエッセイも何冊か出されていることを知りました。

本書は、(読前は)子供向けに書かれた軽いエッセイ集かと思ったのですが、吉本流「人生論」「死生観」「子育論」「教育論」が自身の思想をブレンドして展開されています。

「偽の厳粛さ」を求める学校(教育者)、学校なんかに期待する親を批判し、「気質的きひこもり」だった自身の経験を交えながら、孤独な「ひきこもり」(=分断されない、ひとまとまりの時間)を生きる術を説きます。

他人とのつながり方はそれぞれで良い一人で過ごす時間が「価値」を生み出す、というのは共感。

本書では、「第2の言語」という考え方が紹介されています。
言語には2つある。他人に何かを伝えるための言語である「第1の言語」とは別に、自分だけに通じればいい言語である「第2の言語」がある。前者が他人との対話(=感覚)、後者が自己との対話(=心)と言っていいかもしれません。

そして、「第1の言語」は”意味”でしかないが、「第2の言語」は”価値”である、と。

「この人が言っていることは奥が深いな」とか、「黙っているけど存在感あるな」というのは、”意味”だけではなく、”価値”の増殖が起こっているのです(P40)。


吉本隆明氏は言います。


「若者たちよ、ひきこもれ」




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