偉大なる指導者、シンガポールのリー・クアンユー元首相が今朝亡くなられました。
リー・クアンユー氏の長男のリー・シェンロン首相は今朝、国民に向けて演説し、
「人生の全てを国の発展にささげたリー・クアンユー氏は、シンガポールそのものだった」
「何もないところから国をつくり、国民に勇気と誇りを与えた」
「彼のような人は二度と現れないだろう」
と称賛したようです(日経新聞夕刊より)。
世界中の人々から称賛されるばかりか、実の息子から「彼のような人は二度と現れないだろう」と言われるとは、なんと幸せな人生でしょうか。
シンガポールは私も大好きな国ですので今朝のニュースは深い悲しみに包まれました。ご冥福をお祈りします。
さて、私がシンガポールに行く度に、事前予習として読んでいるのがこの白石隆著 『海の帝国』。
本書は、リー・クアンユー元首相の政策より前の、ラッフルズ(1781-1826)によるシンガポール建設の歴史を学ぶのにオススメの一冊。1811年、シンガポールは人口数百人の小さな漁村にすぎなかったようです。そんなシンガポールに、新しい『海の帝国』を建設する構想を立てたのが、東インド会社の職員だったラッフルズ。ラッフルズ・ホテルやラッフルズ広場は、このラッフルズから取ったものです。その後、1819年にラッフルズによりシンガポールは建設され、自由貿易帝国として発展しました。ただし、自由貿易帝国を賄ったのはドラッグ・マネーだという話は驚きましたが・・・。
そんな話がつらつらと書かれています。シンガポールの歴史に興味がない方には面白くとも何ともない本かもしれませんが、興味がある方には引き込まれると思います。
なお、リー・クアンユー首相時代の話は、同じ中公新書の岩崎育夫著『物語 シンガポールの歴史』が詳しいです。