ノーベル物理学賞を受賞された中村修二さんの本は、これまで何冊か読んできました。
この「『バカになれる男』が勝つ!」という本は今から10年以上前に発売された本です。
久しぶりに読み返してみました。
日亜化学のサラリーマン時代は、研究予算もあてられず機械を廃品から自分で作り上げ、
研究だけではなく、製造や品質管理も全部自分でやり、
論文や学術雑誌・特許なども全部一人で読み込み、
上司から辞めろと言われても研究を続け
1993年青色発光ダイオードを発明、1995年青色レーザーを発明。
この発明は、中村氏自身も
「21世紀の世界を変えてしまうくらいのとんでもない大発明だった」
といいます。
しかし、このような大発明をしても会社からは100万円ほどの臨時ボーナスが出た程度。アメリカの学者から「スレイブ・ナカムラ」というアダ名が付いたようです
発明後、アメリカの企業から年収数億円といった条件で5社以上からオファー、大学からも10校からオファーをもらい、研究分野で世界トップレベルにあるカリフォルニア大学サンタバーバラ校を選択。1999年に渡米。
(2001年には製法の特許権をめぐる「200億円訴訟」へ。2005年、控訴審で8億円で和解)。
ここまでは新聞などでも紹介されているとおり。
改めて「『バカになれる男』が勝つ!」を読むと、狂ったような野心と執念をもって非常識に挑戦し、地道に努力を継続してきたということが、これでもかというくらいに感じます。
努力の仕方が半端ないとでもいいましょうか。
こちらでも書きましたが、そんじょそこらのアマチュアなど全くよせつけないプロフェッショナルたちは、例外なく、少なくとも1万時間、そのことだけに集中し専念したたゆまぬ努力をしていた時期があるといいます(そのことは、「1万時間の法則」としてこちらの書籍で紹介されています)。
イチロー選手が『小さいことを重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道だ』という名言を残されたようですが、何事もコツコツやるのみですね。
地道な研究開発には、地道な努力が必要だ。地道な努力をコツコツこなしていれば、必然的に職人的な技能も可能になる。(P118)
私は一つのことを始めると、のめり込んでいくタチである。諦めることが癪にさわるのである。そして、諦めずにやっていくうちに、青色という鉱脈、莫大な金を生み出す鉱脈に行きたったのだ。(P114)
なお、ノーベル物理学賞受賞者の本としては、『ご冗談でしょう、ファインマンさん』が圧倒的にオススメです。