いま生きる「資本論」
佐藤 優
新潮社
2014-07-31



私の自宅のある兵庫県は異常気象が続いてます。
前の週末も大雨だったので、自宅でのんびりと読書三昧。

その中の一冊が、この「いま生きる『資本論』」

「知の巨人」佐藤優さんが、2014年1月〜3月にかけて実施した、1回90分✕計6回の新潮講座「一からわかる『資本論』」講座を書籍化したもの。

これはハマりました。

おかげで週末は抜けれず・・・

マルクスの『資本論』の解説が面白いだけでなく、講義自体が非常に面白い。

さすが「知の巨人」。

驚きあり、笑いあり、知の世界が広がります。オススメです。


以下、備忘録。

●あるいは、出世したい、少しでも上に行きたいという人たちもいる。そんな椅子取りゲームからなかなか抜け出せないでいる人がたくさんいます。これは資本主義的な論理がわれわれの体に沁み込んでしまって、空気のように当たり前になっているからです。(第4章)

●この講座で『資本論』を読んでいくことでわれわれが具体的に何を学ぼうとしているかというと、もうお気づきの方はいるでしょうが、今の価値観からの脱出です。(第4章)

●どこの会社でも、世のため人のために仕事をしていると言いますよ。それは建前です。資本は本質的に資本を生産する。剰余価値の生産のために仕事をしている。つまりカネ儲けのためにやっているんです。資本主義社会に生きている以上、カネ儲けを否定する論理は必ず負けます。(第6章)

●われわれの制約条件をわからないといけない。資本主義社会のシステムを知っておかなければいけない。資本主義の論理と反することをやろうとしても、長続きはしません。(第6章)。



資本論 1 (岩波文庫 白 125-1)
マルクス
岩波書店
1969-01-16