amazonで注文した本が、ポストに届くまでの十数時間がこれほど長く感じたことはない。

世界24カ国同時発売エドワード・スノーデン『暴露』について書かれた本。

エドワード・スノーデンとは何者なのか。
wikipediaに詳しく書かれていますが、簡単に言えば、CIA(アメリカ中央情報局)やNSA(アメリカ国家安全保障局)での勤務時に、アメリカ政府による情報収集活動(盗聴など)を知り、2013年6月に最高機密文書と共にその実態を『暴露』した人物。

このエドワード・スノーデンがリークする相手に選んだのが、イギリス大手新聞社「ガーディアン(guardian)」のジャーナリストであるグレン・グリーンウォルド氏。本書の著者。
 (「ガーディアン」は、このリーク記事により「ピューリッツァー賞」を受賞)

エドワード・スノーデンとグレン・グリーンウォルドが接触するのは2013年6月3日の香港のホテルの一室。
そして、2013年6月6日、オバマ政権も青天の霹靂である、全世界に衝撃が走る記事が「ガーディアン」のサイトにアップされます。それは、NSAが米国国内数千万人分の通信履歴を収集していたというもの(その時の記事がこちら)。翌日の2013年6月7日、さらに衝撃が走ります。NSAが、グーグル、アップル、フェイスブックなどの企業のサーバーに直接アクセスしていたというもの(その時の記事がこちら)。そして、2013年6月9日、スノーデンの正体が約12分の動画として世界に知らされることになります(その時の記事がこちら)。

本書は、スノーデンの素顔や、米国史上最大級の内部告発に至るプロセスの紹介のみならず、最高機密文書のファイル(パワーポイント等)までを『暴露』している、驚愕の内容です。

例えば、本書で『暴露』されたファイルによると、アメリカ政府は1ヶ月に米国内の30億件のメールと通信データを収集していることが記録されています。メールや通話だけではなく、facebookのチャット、googleの検索履歴、yahoo!のメール、スカイプやアウトルックへのアクセスなども盗まれています。facebookについてはアルバム画像にもアクセスできるし、そこからIDを抽出することもできるとか。本書の原書タイトル(NO PLACE TO HIDE )のとおり、「隠れるところはどこにもない」状態。

スノーデンは未だ30歳。国家の最高機密を『暴露』することは人生の終焉を意味することを理解しているが、国家による最悪な『権力の濫用』を見て見ぬふりをするわけにはいかなかった。機密保持という義務感・忠誠心よりも、彼自身の使命感・正義感・政治的な価値観は揺るぎなかったのでしょう。この正義感は世界から称賛され、ノーベル平和賞の候補だという人もいるようです。

痛いのは、国際社会から批判を浴びたアメリカでしょう。まだ『暴露』されていない膨大な機密文書は明らかになるのか。オバマはどうやって釈明するのか。興味はさらに深まります。