起業家 [単行本]
著者:藤田 晋
出版:幻冬舎
(2013-04-12)
以前、投資家や起業家の集まりに招いて頂いた際に、サイバーエージェントの話になりました。
というような話でした。
投資家の方は、ホントに一企業、一経営者のことでもよく知っているものだと関心しましたが、確かにサイバーはアメーバの如く変化し続けました。
そんなサイバーエージェントの藤田晋社長の新刊書が出ました。
前述の投資家のコメントのとおり、サイバーエージェントはネット広告代理店が主力の会社でしたが、2004年にアメーバ(ameba)というメディア事業を立ち上げました。「21世紀を代表する会社になる」「メディア企業になる」という藤田社長の揺らがぬ想いにより事業化したものですが、その後、累積で数十億円の赤字を垂れ流すことになります。
投資家からも止めろと言われ、社内からも批判の声が上がる中、藤田社長の気持ちは揺らぎません。
ただし、真っ暗闇の中で、焦りや、不安や、苛立ちが募ります。
2007年、アメーバ事業部の責任者を更迭します。藤田社長にとって、始めての更迭の人事だったようです。
しかし、ここから起業家魂全開です。
「自分を変えなれば、会社は変わらない・・・・」
と、いわゆる社長業を放ったらかしで、アメーバ事業本部長に就任。
社長室ごとアメーバ事業本部へ移動。
服装もエンジニアと同様にカジュアルなものに変更。
そして、新規アイデア出しから、コンテンツ、ページ構成、文言、デザイン、レイアウト、UI(ユーザーインターフェイス)に至るまで、全てに関わり、口を出し、自分の確認が必要な体制に変えていきます。
創業以来、「任せたら口出しせず、支援に徹する」というスタイルを貫いてきた経営方針から決別し、揺るぎないリーダーシップを発揮していきました。
そして、その後どうなったか?
その過程での、藤田社長の思考、感情、行動力は、すべての起業家、経営者は見習うべきかもしれません。
孤独、苦悩、絶望の中でも、揺らがぬ信念を貫き、実行する者だけが偉業を成し遂げるのだと思います。
孤独、憂鬱、怒り、それを3つ足してもはるかに上回る希望を持たなければ・・・。
すべての起業家、経営者にオススメしたい一冊です。
著者:藤田 晋
出版:幻冬舎
(2013-04-12)
以前、投資家や起業家の集まりに招いて頂いた際に、サイバーエージェントの話になりました。
「サイバーエージェントって、すごくないか? 上場した時は売上数十億円規模だったのに、今や1000億円を超える企業になった」
「ネット広告代理店というイメージだったが、今はamebaが利益に貢献している。誰がこんな会社になると思ったよ!」
「アメーバスマホのCMに月30億円使ったんだろ?」
「赤字を垂れ流し続けても、投資家から反対されても、amebaを続けた藤田社長ってすごいよなー」」
というような話でした。
投資家の方は、ホントに一企業、一経営者のことでもよく知っているものだと関心しましたが、確かにサイバーはアメーバの如く変化し続けました。
そんなサイバーエージェントの藤田晋社長の新刊書が出ました。
前述の投資家のコメントのとおり、サイバーエージェントはネット広告代理店が主力の会社でしたが、2004年にアメーバ(ameba)というメディア事業を立ち上げました。「21世紀を代表する会社になる」「メディア企業になる」という藤田社長の揺らがぬ想いにより事業化したものですが、その後、累積で数十億円の赤字を垂れ流すことになります。
投資家からも止めろと言われ、社内からも批判の声が上がる中、藤田社長の気持ちは揺らぎません。
ただし、真っ暗闇の中で、焦りや、不安や、苛立ちが募ります。
2007年、アメーバ事業部の責任者を更迭します。藤田社長にとって、始めての更迭の人事だったようです。
「これでダメだったら、おれも責任とって会社辞めるからさ」(P220)こう公言するものの、どうやってアメーバを黒字化するのかの糸口は見えまていませんでした。
「だって仕方ないじゃん。これ以外、他にないんだからさ」(P225)重苦しい空気を和ませるために発した役員会での藤田社長のこの発言は、他の役員から会社を去る決断と受け止められたかもしれません。
しかし、ここから起業家魂全開です。
「自分を変えなれば、会社は変わらない・・・・」
と、いわゆる社長業を放ったらかしで、アメーバ事業本部長に就任。
社長室ごとアメーバ事業本部へ移動。
服装もエンジニアと同様にカジュアルなものに変更。
そして、新規アイデア出しから、コンテンツ、ページ構成、文言、デザイン、レイアウト、UI(ユーザーインターフェイス)に至るまで、全てに関わり、口を出し、自分の確認が必要な体制に変えていきます。
創業以来、「任せたら口出しせず、支援に徹する」というスタイルを貫いてきた経営方針から決別し、揺るぎないリーダーシップを発揮していきました。
そして、その後どうなったか?
夢のような成長を遂げたのです。(P282)
その過程での、藤田社長の思考、感情、行動力は、すべての起業家、経営者は見習うべきかもしれません。
孤独、苦悩、絶望の中でも、揺らがぬ信念を貫き、実行する者だけが偉業を成し遂げるのだと思います。
何のために、こんなにも我慢を重ね、孤独に耐え、それでも前に進もうとしているのか、自分でも時折分からなくなる時もあります。
華やかに見えても、現実に日々は我慢と忍耐の連続でした。
かつての同時代の起業家のほとんどは表舞台から姿を消しました。
成功を重ねるたびに孤独の度合いは増してきます。
それでも、なぜ前に進もうとしているのか―――。
「それをはるかに上回る希望があるから」
起業家の人生は、その言葉に尽きるのかも知れません。(P262)
孤独、憂鬱、怒り、それを3つ足してもはるかに上回る希望を持たなければ・・・。
すべての起業家、経営者にオススメしたい一冊です。