先日、村上龍さんの『無趣味のすすめ』という本を紹介したが、この中で、私が最も共感したところをご紹介しておきます。

『今、メーカーでも小売りでも、成功している企業は、高度成長時のビジネスモデルのほうが異常であることを自覚している。製品やサービスが売れないのは、不況とデフレのせいではなく、需要が少ないからだというはっきりとした認識を持っている。
(中略)
淘汰の時代には、成功より、まず生き残ることを優先すべきである。』

中小企業の中長期計画は、上場企業のそれよりもはるかにアグレッシブである。計画上は、売上高も営業利益も最終利益も5年後には恐ろしく伸びることになっている。私は中小企業の中長期計画において減収もしくは減益の計画を書いている社長を見たことがない。しかし、あの絶好調企業のユニクロ(ファーストリテーリング)でも増収増益を維持することは困難な時代なのである。「計画」であるからポジティブな数値を描くのは当たり前かもしれないが、現実的ではない。現実的ではないアグレッシブな数値を描くから、それに合わせた先行投資をしてしまう。売上が伸びないのに、先行投資をすると、当然資金繰りは苦しくなる。かなりの割合の中小企業が明るい未来に飛び込んでいるが、村上龍さんも言うように高度成長時と今は違う。今は「生き残ることを優先すべきである」と私も思う。重要なことは、昨日も書いたように「会社を絶対に潰さない」ための戦略だ。

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