以前こんなことを書きました。
東日本大震災において、私(たち)のクライアントも直接的・間接的な被害を受けました。その影響は少なくありません。この時に痛感しました。上場企業は体力があるが、非上場の中小零細企業は風が吹けば簡単に吹き飛んでしまう。1ヶ月仕入がストップしただけで、1ヶ月売掛の入金が遅れたたけで、資金が底をつく。震源地から数百キロ離れた場所でも中小零細企業の社長はもがき苦しんでいる。
先日、東京での会食中、関西のクライアントの社長から携帯電話に着信がありました。「今から東京に行くから会って欲しい。助けて欲しい。」と。夜中、社長の泊まるホテルで会いました。手には1枚の紙切れ。見ると、そのクライアントの大口得意先が倒産したとの弁護士の通知。その瞬間に月次の売上高相当額以上の債権が焦げ付きました。震災により売上高が激減した上に、債権も回収不能に。私は「ヤバい」と思いました。社長も「地獄だ」とうな垂れました。資金は確実にショートします。
しかし、諦めなければなんとかなるのです。諦めたら終わりです。
この社長に限らず、多くの中小企業の社長が今、苦しんでいます。震災の影響は来年まで続くと思っています。倒産件数は増加するでしょう。
そんな中、私に出来ることはいったい何なのか。私に求められてることは何なのか。しばらく考えました。私も被災者と同じ痛みを味わう程の金額を赤十字に寄付することなのか。いや、そんなことではない。中小企業を救わなければならない。我が国の99%を占める中小企業を潰さない。そのために、私に出来ることはいくらでもある。そう思いました。
従来の上場企業向けコンサルティングの仕事は引き続きやりますが、来月までに新しいコンサルティング会社を作ることにしました。悩み、苦しみ、孤独で不安な中小企業の社長を、笑顔で安心して経営に専念してもらいたいのです。営業とかマーケティングとかを支援するようなことは出来ません。リスケや会社分割や事業譲渡といった再生手法を使うことも想定していません。会社の問題点はすべて数値に表れます。針穴に糸を通すような精緻な数値の分析により会社は変わると思っています。会計を経営にどこまで活かせるか、私の新たな挑戦です。