日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方
著者:山本 敏行
ソフトバンククリエイティブ(2010-12-02)
販売元:Amazon.co.jp
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今や知る人ぞ知る有名企業となった、大阪・吹田の「EC studio」という会社の山本敏行社長の新刊書。

山本敏行社長は昨年、『iPhoneとツイッターで会社は儲かる』という新書を出版している。そこで、iPhoneとツイッターとグーグル・アップス(google Apps)によって、「コミュニケーション革命」が起きているというようなことを書いていた。当時、私は、iPhoneは持っていたが、ツイッターもグーグル・アップスも使ったことがなかったため、「コミュニケーション革命」といわれても、いま一つピンとこなかった。

それから1年経って、気がつけば私もiPhoneとツイッターとグーグル・アップスによる「コミュニケーション革命」を体感していた。特にグーグル・アップスは今後のさらなるビジネス上の可能性を感じる。

さて、新刊書のタイトルは『日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方』であり、ジャケ上は『社員満足度が高い』という箇所が赤字になっている。さらに本書の帯には「まさに魔法のマネジメントが、ここにある。」という神田昌典氏の推薦の言葉が書かれている。そのため、てっきり人事労務管理的な内容の本かと思っていたのだが、内容は全然違った。

根底には『社員満足度をいかに高めるか』という考え(理念)が書かれているのだが、それを実現するための戦略や組織づくりについて包括的にまとめあげられている。これが結構強烈。

特に印象に残っているフレーズは
『人が得意なことは人に、ITが得意なことはITにさせる〜』(P141)
というところ。
ITというものを徹底して活用し、生産性を徹底して向上させ、利益のみならず、社員のモチベーションも劇的に向上させ、結果として社員満足度を高める。

正直「ここまでやるか」というくらい徹底しているし、同時に、1,400円の本に「ここまで書くか」というくらい徹底して情報をオープンにしてくれている。それでも、ここに書かれていることは『ECスタジオで実際に取り組み、うまくいったもののみ紹介しています。』(P16)とのこと。

本書を読んだら、単なる非常識なITツール紹介本にしか映らないと思う方がいるかもしれない。ただ、私は極めて常識的な経営実践本だと思う。
中小企業の社長さんには、1,400円出して本書を読む価値は十二分にあると思う。


■目次
第1章 「社員第一主義」の非常識な働き方
第2章 社員の満足度がアップする非常識な制度
第3章 小さな会社が成功するための非常識な戦略
第4章 小さな会社の利益を増やす3つのIT戦略
第5章 モチベーションと利益が劇的に高まるITツール活用法


iPhoneとツイッターで会社は儲かる (マイコミ新書)iPhoneとツイッターで会社は儲かる (マイコミ新書)
著者:山本 敏行
毎日コミュニケーションズ(2010-02-23)
販売元:Amazon.co.jp
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