ホーチミンへ行った際に、どうしても立ち寄りたい場所は
戦争証跡博物館(WAR REMNANTS MUSEUM、 Bao Tang Chung Tich Chien Tranh)

ベトナム戦争に関する資料を公開・展示した博物館で、実際に使用された戦車や戦闘機などの兵器が置かれている屋外の展示と、戦争に関する膨大な資料を集めた室内の展示から成る。

当時の生々しい写真などを見ていると、吐き気がしてきた。見なければよかった…と思った程、残酷なものであった。しかし、戦争と殺戮の事実は見ておかないといけないという思いもあり、目を背けたくなるような展示をすべて見て回った。

とにかく戦争とは何なんだ…と言いたくなるような拷問と残虐行為の数々。戦場という場所に送り込まれると精神が破壊されるのだろう。
手榴弾で吹き飛ばされて首と胸の一部だけになったベトナム人の死体を手でぶら下げる米軍兵士の写真、化学兵器で顔がただれ化け物のようになった男性の写真、ナパーム弾で顔を焼かれ男性なのか女性なのか分からない人の写真、「虎の檻(タイガーゲージ)」に19年間も閉じ込められ両腕がそうきんを絞ったようにねじれている人の写真、下に「おまる」のような容器があるギロチンの実物…など、他にもブログに書くには相応しくないと思われるエグい行為も展示されている。

そして、何といっても残虐なのは、枯葉剤による攻撃だ。枯葉剤は、猛毒で発がん性があり、遺伝子に作用して奇形児を生むらしい。体がくっついて生まれたベトちゃん・ドクちゃんも枯葉剤の被害者だ。このような被害者の写真は多く展示されている。

ベトナム戦争の終結は1975年で今からまだ35年前であるため、枯葉剤の被害者というのは未だ多く現存する。ホーチミン市街を歩いていても、頭が通常の倍くらいに膨らんだ奇形児や、目や鼻がない人を見かけた。戦争の爪痕はまだまだ通常の生活の中にもあるのだ。

「戦争証跡博物館」は、アメリカ人を含め、世界中から年間40万人もの人が訪れるらしい。皆、展示を黙ってただじっと眺め、博物館を出たらぐったりとベンチに座り込む姿は印象的だ(40度近い気温の中、冷房のない博物館にぐったりしているのかもしれないが…)。

ホーチミンへ行くことがあれば、必ず寄ってほしい場所である。


▼参考文献
観光コースでないベトナム―歴史・戦争・民族を知る旅観光コースでないベトナム―歴史・戦争・民族を知る旅
著者:伊藤 千尋
販売元:高文研
発売日:1995-11
おすすめ度:4.0
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この本は、ホーチミンだけでなく、ベトナム全土について書かれたガイド的な本であるが、「戦争証跡博物館」についても生々しい記録が書かれている。


ベトナム戦争と平和―カラー版 (岩波新書 新赤版 (962))ベトナム戦争と平和―カラー版 (岩波新書 新赤版 (962))
著者:石川 文洋
販売元:岩波書店
発売日:2005-07
おすすめ度:4.5
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「戦争証跡博物館」に展示されている写真の多くを撮影した写真家の石川文洋氏の本。「戦争証跡博物館」に展示されている写真も掲載されているため、ホーチミンまで行かなくても悲劇は伝わる。





▼屋外に展示されている戦車や戦闘機
戦争証跡博物館/ベトナム ホーチミン