会社にお金を残さない! ~「ノルマなし!管理職なし!給料全公開!」の非常識な経営術~会社にお金を残さない! ~「ノルマなし!管理職なし!給料全公開!」の非常識な経営術~
著者:平本 清
販売元:大和書房
発売日:2009-10-22
おすすめ度:5.0
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●ついに書籍が出たー!

出版社が黙ってないだろうなぁーと思ってたが、やはり書籍化された。大和書房から。

通常、1週間に1企業と取り上げる『カンブリア宮殿』において、2週間連続で取り上げられた広島のメガネ21(トゥーワン)という会社の創業者、平本清氏の著書。

『カンブリア宮殿』で取り上げられた昨年6月の時点では、私はメガネ21という会社のことは全く知らなかった。ただ、『カンブリア宮殿』を観たときに、「この会社はヤバい!」と思い、2週目は他の予定をそっちのけでテレビに釘付けになった。

『カンブリア宮殿』が、それほど有名でない会社を、1週間で納めきれず2週間連続で放映するというのは珍しいことなのではないだろうか。それほどの会社なのだ。

改めて読み返して、この会社には世の中の常識が全く当てはまらないと思った。通常、経営者が常識として知っておかなければならない、経営組織論の知識も、会計学の知識も、金融の知識も、人事評価の知識も、この会社には何も通用しないだろう。「知ってたまるか」的な非常識さは痛快だ。

私は、今でも中小企業のコンサルティングを行っているが、最近つくづく中小零細企業が上場企業のマネをするとロクなことはないと思う。だが、このメガネ21はそういう次元の話ではない。フィクションに近い。しかしながら合理的。所有と経営が分離していない200万社の中小零細企業にとっては、実はこのモデルこそ常識なのではないかと錯覚してしまうほど。

おそらく本書は、上場企業の方が見ても、普通の中小企業の経営者が見ても、何の役にも立たんだろう。マネできないからだ。ただ(経営書ではなく)読み物として読む分には非常に面白い本である。隣の経営を覗いてみたい方にはオススメ。