世界一の庭師の仕事術 ?路上花屋から世界ナンバーワンへ?世界一の庭師の仕事術 ?路上花屋から世界ナンバーワンへ?
著者:石原和幸
販売元:WAVE出版
発売日:2009-03-23
おすすめ度:4.0
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私は以前から、自分は経営者でもなく、専門家でもなく、「職人」だと言ってきた。ビジネスパートナーにも「職人たれ」と言ってきた。

で、参考とすべき「職人」は「庭師」だとも言ってきた。

なぜ「庭師」か。

クライアントの「庭」を見て、そこから120%の想像力を働かせ、クライアントから何も言われなくても、どのような要望を言われても、そこにクライアントを感動させる作品を作る。それはクライアントが100人いれば、庭も100通りあるはずであり、職人技というものが求められる。
これは公認会計士の仕事も同じだと思うからだ。
マニュアル通りにしか作品を作れない人は専門家かもしれないが、職人ではない。



「庭師」の世界では、“チェルシー・フラワーショー”という世界で最も権威のあるガーデンショーがイギリスで開催されているらしい。
著者の石原和幸氏は、この“チェルシー・フラワーショー”で三年連続金メダルを受賞した、正に世界ナンバーワンの庭師

昨日
紹介したポスター職人、水谷孝次氏と同様、絶対ブレない軸をもっている。水谷孝次氏は『デザインが奇跡を起こす』という信念をもっているが、石原和幸氏は『花と緑で世界を変えたい』という深い思いがある。

両者とも全く私利私欲はない。読めば分かる。ふたりとも世界を変え、人々を喜ばすことだけを考え、それに全力を尽くしている。石原和幸氏は「命がけ」という言葉を本書の中で何度か用いている。果たして「命がけ」で仕事をしている人がどれだけいるのだろうか。「命がけ」というのは何も命を擦り減らす程ストイックに仕事をするという意味ではない。自分一代で終わるような野心ではなく、理念が語り継がけるような高い志をもって目の前のことに打ち込んでいるかどうかだという意味だろうと思う。野心家を見ても冷めるだけだが、こういう志高き人は実に美しいと思う。

このブログは、私のビジネスパートナーも見ているので再度言っておこう。「職人たれ」と。


『ゴールドメタルを取るのは、技術やお金ではなく、それにかけるエネルギーだと、ぼくは確信をもって言えます。』(P131)

『「原価+利益」を売り値にすればいいんだという商売をしている人は、絶対に生き残りません。「100円で仕入れたものにふつうは三割利益を乗せるものだろう」という程度の発想で商売をしている人が、生き残れるわけがないのです。
会社で働いている人だって、きっと同じでしょう。
「自分の給料はこのくらいだから、この程度の仕事をすればいい」と、もし思っているとしたら・・・すぐにでも改めたほうがいい。』
(P203)