3月期決算の多くが、今日か、来週月曜日(6月1日)に法人税等の申告をすると思います。


私の事務所には、未上場企業の経営支援のような依頼もあります。
未上場企業には、経理業務や決算業務において、上場企業とは質の異なる重大な問題を抱えていることが多いです。


例えば、
1.月次決算をやってない
2.本決算は、決算日後2か月を経過しないと締まらない。
3.決算書の見方(=押さえるべきポイント)が分からない。
4.資金繰り表がない。
5.顧問税理士を過信している。

など。


よって、5月末になって初めて3月決算を見たという社長さんも多いはずです。しかも、昨年の5月以来、約1年ぶりに自社の決算を見たという社長さんが多いはずです。
ここに、未上場企業の最大の問題点があるといえます。


そんなことをいうと、こういう社長がおられます。
「ウチは、顧問税理士に任せているから大丈夫だ!」


しかしですね・・・
顧問税理士に決算を丸投げしているから、会社は問題だらけなんですよ。


中には、日常的にちゃんと指導して、決算も迅速に行う税理士もいるでしょうけど、ほとんどは申告期限ぎりぎりに決算書を持ってくるはずです。果たして、3月期の決算書を5月末に入手して、何か意味がありますか? 既に今期、2か月が経過しているんです。”too old” なんです。しかも、入手した決算書から何を感じましたか? 法人税の申告書から何を読み取りましたか? それをもって、次期以降どういう戦略を立てるのですか? 今後の資金繰りはどうされるのでしょうか? 


つまり、決算書なんて、自社の業績把握にも経営戦略立案にも何ら役に立ってないのが実情です。
納税と銀行のために、決算書を税理士に作ってもらっているだけで、経営には活かされていません。


そりゃ、まともな経営はできません。


銀行には良いところを見せたい、でも税金は払いたくない、というトレード・オフの間で、あるべき着地点に向けて顧問税理士に対し粉飾を指示する。顧問税理士がそれに応える。
そうやって毎年毎年整形手術をするうちに、自分の真の姿が分からなくなっている。そういう会社も非常に多いです。


この本、本文とは関係ないですが、税理士でありながらこの手の本を上梓する勇気と使命感に、差しでがましいですが賛意を称したいと思います。

テキトー税理士が会社を潰すテキトー税理士が会社を潰す
著者:山下 明宏
販売元:幻冬舎メディアコンサルティング
発売日:2009-01
おすすめ度:3.0
クチコミを見る