リストラなしの「年輪経営」リストラなしの「年輪経営」
著者:塚越寛
販売元:光文社
発売日:2009-02-24
おすすめ度:5.0
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経営者の方には一読の価値ある一冊。
創業以来48年連続増収増益の記録を達成した長野県の寒天メーカー「伊那食品工業株式会社」の塚越寛会長による『リストラなしの「年輪経営」』という本。

利益を追求すること、急成長を目指すこと、会社を大きくすること、を目的とした経営を否定し、利益なんて「経営のカス」だ、といいます。
それよりも、社員を含め利害関係者が幸せになるために会社というものは存在する。利益というものは出そうと思って出すものではなく、「健康な会社」を作ることを考えれば自然と出てくるカス(=ウンチ)のようなものだと。
大切なことは、いい時も悪い時も無理をせず、低成長から志して自然体の経営を務める「年輪経営」をすること。一時の寒天ブームに乗って寒天の増産に取り組んだことは「忸怩たるもの」であり、ブームは「最大の不幸」であるとの教訓を得た、といいます。

同社は、二宮尊徳の教えである「遠きをはかる者は富み、近くをはなる者は貧す」を経営戦略の柱にしているようですが、経営にとって本当に大切なことは「遠きをはかる」ことだということを本書は改めて教えてくれます。

坂本光司著「日本でいちばん大切にしたい会社」にも取り上げられた会社であり、大企業の幹部たちも続々と訪問するという会社のトップの経営哲学がまとめられた貴重な一冊です。
最近のビジネス書のなかではイチオシです。



日本でいちばん大切にしたい会社日本でいちばん大切にしたい会社
著者:坂本 光司
販売元:あさ出版
発売日:2008-03-21
おすすめ度:4.5
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