公認会計士武田雄治のブログ

公認会計士武田雄治のもう1つのブログです。

■決算書から「お金持ち会社」の作り方がわかる

決算書から「お金持ち会社」の作り方がわかる (アスカビジネス)決算書から「お金持ち会社」の作り方がわかる (アスカビジネス)
著者:坂田 薫
販売元:アスカ・エフ・プロダクツ
発売日:2009-02-09
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この本は、経営に本当に役立つ会計入門書だ!

著者の坂田薫氏は、金融機関で融資の審査を担当したこともあり、中小企業の再生案件にもたずさわっていた方でもあるため、内容が非常に実務的
(人気のブロガーでもあります。)

中小企業の経営者向けに書かれた本だと思いますが、中小企業の社長にとって、最も興味があることの1つは「どうやったら銀行からカネを借りられるのか」ということではないでしょうか。
本書は、そんな経営者に、「金融機関がカネを貸したい会社とは?」という視点から決算書やビジネスの仕組みを解説しています。

金融機関がカネを貸したくなる「優良企業」とはどんな会社なのか?? という点について、本書から読み取って下さい。
東横インが非上場企業でありながら、日本最大手のビジネスホテルチェーンになった事例などから、皆さんの会社の実務に活かしてほしいと思います。

通常、あまり読んでいて面白くない会計入門書とは異なり、上場企業の財務諸表などの実例を用いて解説していたり、CBやMSCBやDESなどについても触れられていたり、会計士の私でも非常に参考になりました。



■絶対貧困 −世界最貧民の目線

絶対貧困絶対貧困
著者:石井光太
販売元:光文社
発売日:2009-03-24
おすすめ度:5.0
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これもまた衝撃。

昨日一昨日に紹介した書籍が、わが国の貧困について教えてくれる本であるのに対し、本書は世界の貧困について教えてくれる本。

わが国の貧困が「相対的な貧困」であるのに対して、本書は「絶対貧困」。

もはや「格差」とか「差別」とかいう次元ではない。子供に物乞いさせるために、手足を切断したり、顔に熱した油をかけたり・・・思わず目をそむけたくなる現実の世界がここにある。

1日1ドル以下で生活している人が12億人(約5人に1人)、2ドル以下なら30億人(約2人に1人)にもなるらしい。
日本で生活していると想像もつかない、食うためには何でもするという驚きの光景が繰り広げられている。



物乞う仏陀 (文春文庫)物乞う仏陀 (文春文庫)
著者:石井 光太
販売元:文藝春秋
発売日:2008-06-10
おすすめ度:4.5
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■反貧困 ―「すべり台社会」からの脱出

反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)
著者:湯浅 誠
販売元:岩波書店
発売日:2008-04
おすすめ度:4.5
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前回ご紹介した「子どもの貧困」でも参考文献に挙げられていたこの本。
「派遣村」村長で有名な湯浅誠氏の「反貧困」


こぼれ落ちたが最後、どこにも引っかかることなく、どん底まで落ち込んでいく「すべり台社会」の中で、多くの人が「貧困状態」にある。
なんと、年間を通して働いているにも関わらず年収200万円未満という人が1000万人を超えているという。高齢者や無職を含まれば、所得のもっとも低い20%の人たちの平均年収は129万円(P33)。


貧困や犯罪、児童虐待や自殺といった根本的な原因は「自己責任」なのか。
著者は「自己責任論とは相容れない」(P82)という。


非常に分かりやすい例えで説明してくれている。
貧困状態にある人たちに自己責任を押し付けるのは、「溜池のない地域で日照りが続く中、立派に作物を育ててみろ」と要求するようなものであり、また、「日々の激務の中で疲れ果て、うつ状態になり、ついには過労死してしまった人に、プロボクサー並の健康管理をやってみせろ」と要求するようなものだ、と。


「自己責任」というのは、「他に選択肢があって、それを選べたはずなのにそれを選ばなかった」という時に成り立つ話であるが、貧困状態に追い込まれた人には自由な選択が奪われている状態であり、「基本的な潜在能力が欠如した状態」でもある。


では、貧困の根本原因は何か。
「子どもの貧困」でも詳細に述べられているが、それは「日本社会のしくみ」が原因ではないだろうか。
「政府を始めとする日本社会総体は、貧困問題に関して、依然としてスタートラインにさえ立っていない」(P104)という現状は何とかしなければならない。

■子どもの貧困 −日本の不公平を考える

子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)
著者:阿部 彩
販売元:岩波書店
発売日:2008-11
おすすめ度:4.5
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非常に衝撃的な内容でした。

OECD(経済協力開発機構)の2006年の報告書において、次のような指摘があったようです。
1.日本の子どもの貧困率が徐々に上昇しつつあり、2000年には14%になった。
2.この数値が、OECD諸国の平均に比べて高い
3.母子世帯の貧困率が突出して高く、とくに母親が働いている母子世帯の貧困率が高い

そして、貧困世帯に育つ子どもが、学力、健康、家庭環境、非行、虐待などさまざまな側面で、貧困でない世帯に育つ子どもに比べて不利な立場にあることを、多くのデータをもって示してくれております。

そして、この不利は、その子が成長して大人になってからも持続し、一生、その子につきまとう可能性が極めて高い、と。

こうなってしまったことの原因の一つとして、政府の対策が高齢者に極端に偏り、子どもの貧困に対しては「政策課題と思っていないことは明らか」(P219)であると述べられております。

例えばこの表のように、教育関連に関する公的支出は他の先進国に比べると少ない。

子ども貧困




←薄暗いホテルの一室で撮ったため
 見づらくてすみません。。。

【出所】本書P78

私は本書を読むまで知らなかったのですが、日本の場合、無料で教育を受けることができる義務教育は中学校までで、学生に対する金銭的補助のほとんどが返済義務のある貸付(学生ローン)であるのに対し、欧米諸国の多くは大学などの高等教育まで基本的に授業料が無料だそうです。

最低限保障されるべき教育すらも保障されていないのが、この日本の実情。定額給付金といった効果が疑問視される政策に数兆円を使うくらいなら、児童手当や奨学金制度の拡充、低所得世帯の教育費の免除といった政策をとるべきだったのかもしれません。

本書の最後には「いくつかの処方箋」として「給付つき税額控除」案が挙げられていますが、これは非常に良い支援策だと思います。単なる「税額控除」でもメリットが大きいが、「給付つき」にする。つまり、収めるべき税額が税額控除より少ない場合は、逆にその差額金を「給付」として受け取ることができるというもの。このような「給付つき税額控除」は、1990年代になって、アメリカ、イギリス、カナダ、オランダなどの国々で次々と導入・拡充されているようです。これを実現させるためにどれだけの予算が必要なのか分かりませんが、扶養控除や配偶者控除に比べると余程効果的な政策ではないでしょうか。
先日、政府・与党が公表した追加経済対策において、ようやく子どもの貧困に対する政策と思われるものが盛り込まれました。これに対する著者の見解も聞いてみたいところです。

日本の貧困の現状について、単に「自己責任」では片付けられない苛酷な実態を知らされたショッキングな一冊でした。



■関西の鉄道網が変わる!

なにわ筋線
3月に「阪神なんば線」が開通し、阪神尼崎駅〜難波駅まで新線が開通したところですが、これ以外に2本、新線の計画があることを御存知でしょうか?

左図は日経4/18朝刊(近畿経済版)より。
「なにわ筋線」なるものができると、大阪駅から関空まで30分台で行くことができます。
また「四つ橋線」が延長され、阪急十三駅を経由して、新大阪まで延びるという計画もあります。これが出来ると、阪急電鉄利用者は梅田駅を通らずに(=御堂筋線を乗らずに)ミナミまで行くことができます。
両方とも非常に期待度の高いプロジェクトです。

このような電鉄会社をまたぐ大プロジェクトが可能となったのは、阪神と阪急の統合があったからだと言われております。事の始まりは、村上ファンドの阪神への出資です。


現在、梅田の阪急百貨店が工事をしています。これも、阪神と阪急の統合があったからだと言われております。阪急百貨店のメインの入口が1階であるのに対し、隣の阪神百貨店は2階の出入口を通る人が多く、客の導線が分断されていることから、阪急百貨店も阪神と同様2階に出入口を作り、歩道橋で繋ぎ両社を行き来する客を増やそうとしているようです。

いずれも来年くらいには完成するのでしょうか。
最近、神戸よりも大阪へ出ることの方が多いため、楽しみです

■「旬刊経理情報」に掲載されました!

『旬刊経理情報』(4/20増大号)において、わたくしの新刊書「決算早期化の仕組みと実務」の書評が掲載されました。

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■プラス1%の努力

顧客が我々に100のことを求めているとしよう。


ここで、99のことをやったとしても、信頼を失う。
「ちゃんとせんか!」と言われる。
受注を失ったり、解約されたりもする。


しかし、101のことをやっただけでも、喜ばれる。
「ありがとう!」と言われる。
他の顧客を紹介してくれたりもする。


99のことも、101のことも、努力の差は微々たるものだ。
「プラス1%」のことをやるかやらないかで、結果も評価も全く異なる。


「何のために仕事をしてるのか」を考えれば、
「プラス1%」の努力をすることは当たり前、となるはずである。


私の経験上、手を抜いて99で仕事を終えると、その時は楽でも、
その後の苦労は200の仕事をやる以上にしんどく、辛い。
顧客から信頼を失うこと、失った信頼を取り戻すことほど辛いものはない。


だから、常に顧客が何を求めているのか、どのレベルの要求をしているのかを考え、
そこから「プラス1%」のことをやるべきである。


相手が上司の場合もまた然り。


■瞬間集中法

前回、前々回のエントリーで、経営者にとって行動することが大切であるといいうことを書かせて頂きました。

行動するといっても、「即」行動することが大切だと思っています。

1%でも成功の可能性があれば行動してみる積極的な経営者もいれば、99%リスクを排除出来なければ行動に移さない保守的な経営者もおられますが、私の場合は間違えなく前者です。保守的なことが悪いこととは思いませんし、経営者として必要なことではありますが、私の場合は、行動しながら軌道修正していけば良いと思っておりますので、何事も即行動です。
中小企業(特に零細企業)のトップが「役員会の承認を得なければ…」とか「取締役会の承認を得なければ…」と言って即行動に移さないケースがありますが、かなりの違和感を感じます。上場企業であればまだしも、中小企業の場合、多数決で物事を決めるのではなく、多数決を採り反対意見を参考にはするものの、トップが独断で決めるものではないかと思っております。意思決定機関へ決議を委ねるのではなく、まず行動することが大切だと考えております。



私が行動する時に、いつも思い出す言葉があります。

それは、
「瞬間集中法」
という言葉。

これは脳科学者の茂木健一郎さんが勧めている方法であり、何か物事をやる場合は「0.1秒で集中しろ!」ということ。
チンタラやるのではなく、0.1秒でやる。

そうすれば、圧倒的なスピードでやることができる、圧倒的な分量をこなすことができる、そのことに没入することができる、という効果があります。

世の中には、効率法とか時間術とか、様々なノウハウ本が溢れていますが、「瞬間集中法」を実践すれば、そのようなノウハウ本に書かれていること以上の効果を発揮できます。

そして、忙しい経営者に必要なことは、この「瞬間集中法」だと思っております。経営者のスピード感以上に、会社がスピードを出すことが出来ませんので。





■瞬間行動術

前回のエントリーをUPした次の日、ある読者の方からメールを頂きました。
一部抜粋させて頂きます。


『新しい挑戦を考えていて、かなり迷っておりましたが
このブログを見て改めて燃えてきました。感謝いたします。』



ブログを長年書いてますと、掲示板にリンクを貼られたり、適当な批判をされたりすることも多いのですが、この読者の方のような連絡があったり、多くの出会いがあることが非常に嬉しく思っております。
こちらこそ、感謝いたします。



さて、前回のエントリーで、過去最高益を達成した会社のことを書きました。
今回はその続きを。

私は、今まで多くの会社の顧問やコンサルをさせて頂く機会がありました。
(社外役員のケースを除き)経営者ではありませんのでクライアントの経営に関与することができませんが、どんな業種の企業であろうが、どんな規模の企業であろうが、第三者の専門家として最大の効果が出るであろう助言をさせて頂いているつもりです。報酬が数百万円であろうが、数万円であろうが、経営者が求めていること以上の助言はしているつもりです。



この中でも、過去最高益を叩き出す企業もあれば、全く改善されない企業もあります。



何故だと思いますか???




結論
経営者が、私の助言通りに
行動するか、しないか、の差です。




前回のエントリーで書いた、過去最高益を出した企業の社長は、正直申し上げて簿記や会計や財務や税務の基本を知りません。でも、私の話に喰らいついてきます。で、次の日には行動してます。
この差です。



これは、企業経営だけではなく、個人でも同じことだと思います。



出来ない理由、出来ない言い訳ばかり並べて、行動しない人に成功はないと思っています。



今日、臼井宥文氏の『今こそ、富裕層になる!』を読みました。
御存知、『SEVEN HILLS』の発行人です。
今まで、富裕層マーケティングの仕事を通して4000人近いニューリッチと会ってきた著者が、成功者の言うことの共通点のひとつとして
「思いついたら即行動した」
というものがあるようです。

著者は、このように言います。
残念ながら、行動しない人には「棚ぼたはない」のですが、行動し、自分でアクションを起こしていくうちに、棚ぼたかと思えるようなチャンスが巡ってくるものです。
あなたのアイデアに協力してくれる人、助けてくれる人、資金を出してくれる人が出てくるのです。(P57)

私の実体験からも、激しく同感です。

本書に登場する、『億万長者の授業』等の著書で有名な鳥居祐一氏も次のように言っています。
何か新事業をやろうと決心しても、「君には無理だよ」と言って反対する、“夢泥棒”は、意外と身近な人が多いものです。
奥さんや親兄弟、親友などに手錠をかけられて身動きできない人は、夢泥棒とはいったん縁を切るしかありません。
彼らを見返す意味でも、反面教師にして行動を起こすことが第一歩です。(P139)



行動しても悩みは出てくるんです。
行動する前にあれこれ悩むのなら、行動してから悩めばいいじゃないですか。
思うことがあれば、即行動です!




今こそ、富裕層になる!――逆境を乗り越えるメンタリティ今こそ、富裕層になる!――逆境を乗り越えるメンタリティ
著者:臼井 宥文
販売元:ベストセラーズ
発売日:2009-02-26
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学校で教えない億万長者の授業学校で教えない億万長者の授業
著者:鳥居 祐一
販売元:中経出版
発売日:2007-12-08
おすすめ度:4.5
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■人生、意外と何とかなるもんだ!

上海からスペインまで、一人で200日かけて横断したある大学生が、帰国後、私の自宅に遊びに来てくれました。

移動方法も、移動ルートも決めず、神戸港から上海に向けて船で出発したのが約7か月前。
そこから、バスや電車を使ってスペインまで行ったようです。恐るべき行動力です。

この旅で学んだことは? との私の質問に、
「人生、意外と何とかなるもんだ!」
と。



多くの人が「出来ないという思い込み」をしていると思います。人間の脳は5%も活用されていないといいます。人間の可能性もそれくらいしか活かされてないでしょう。ですから、出来ないという思い込みを捨てれば、何だって出来るはずです。
出来る出来ないという問題ではなく、行動するか行動しないかの問題です。



以前、ある会社のコンサルに行ってました。
モノは売れず、経費はかさみ、資金繰りは悪化、銀行はけんもほろろ。いつ倒産してもおかしくない状況の会社。
どうしようかと数か月悩んで作った再生案。
それから月日が流れ、つい最近、3月決算が締まり、そこの社長から決算の速報を教えてもらいました。なんと、過去最高益を達成。相変わらずモノは売れない時代ですので、売上高は減少したものの、それ以上の経営努力により、潤沢な現預金を抱え、節税という新たな悩みが出てきたほどの高収益を達成。
これは、私の力でも何でもなく、社長の努力と行動力の賜物です。この社長の口から「出来ない」という言い訳を聞いたことがありません。
以前は資金繰りに悩み、眠れない日々を過ごしたはずです。それでも「出来ないという思い込み」を一切持たずに、即実行。
周りの同業他社がどんどん倒産していく中、トヨタでさえも営業赤字という中、過去最高益とはすごいことです。



先述の大学生の言葉に、一語付け加えて、
“行動すれば” 人生、意外と何とかなるもんです!




今日、嶋津良智氏の『だから、会社が儲からない!』を読みました。
生き残る成功企業は100社に1社。
その100社に1社になるため、経営者はどうしなければならないのか。

計画が利益を生むのではなく、
                  行動が利益を生む。

ってことを忘れるな!
 
ということです。



だから、会社が儲からない!だから、会社が儲からない!
著者:嶋津 良智
販売元:日本実業出版社
発売日:2009-01-29
おすすめ度:4.5
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