公認会計士武田雄治のブログ

公認会計士武田雄治のもう1つのブログです。

■鍵山秀三郎 「心あるところに宝あり」

先日、鍵山秀三郎さんの「心あるところに宝あり」という講演会へ行ってきた。

鍵山秀三郎さんは、言わずと知れた方だが、カー用品のイエローハットの創業者であり、創業以来約50年間「掃除」を続けてきたことでも有名な方。それに多くの人が共鳴し、「NPO法人日本を美しくする会」を創設され、今でもいろんな場所の「掃除」をされている。
講演会当日は大雨だったにも関わらず、朝5時半から目黒川を掃除してきたという。。

以前も大阪の淀川で掃除をすることになったら、ボランディアで1000人位が集まったらしい。河川敷にはバイクや自転車、ベットのマットなどが捨てられていたが、これらをトラック3台使って撤去して、落ちているゴミもきれいに拾ったそうだ。

なんでそこまでやるのか。

鍵山氏は、「もし淀川に大洪水が来たら、これらのバイクや自転車は大阪湾の海の底に行ってしまう。そうすると、1000年くらい海の底に残ったままになる可能性がある。すると、孫の代や、その孫の代になっても、我々が捨てたものが地球上に残ることになる。だからやるんです。」というようなことをおっしゃってた。

「誰のために仕事をするのか?」と問われたときに、「自分のため」とか「お客さまのため」と答える人は多いが、それではダメだとも言っていた。「社会のため」「国家のため」「地球のため」に我々は存在するのだという考えが必要だと。

ブロークン・ウィンドウ理論(割れ窓理論)という有名な理論がある。検事出身のジュリアーニ氏がニューヨークの市長になった時に、治安が悪く、重犯罪が多かったニューヨークをどうやって変えたかというと、「軽犯罪」の徹底取り締まりを行ったのだ。例えば、地下鉄の割れた窓を直ぐに取り替える、落書きを直ぐに消す、無賃乗車を取り締まる、未成年者の喫煙を取り締まる、などなど。すると、どうなったかというと、ニューヨークから重犯罪が激減し、治安が良くなった。

このように、きれいにすると犯罪が減る。

今の社会の問題や、会社の問題、教育の問題の、諸悪の根源は「心の荒み」である。だから、心の荒みを取り除かないと病巣は取れない。ブロークン・ウィンドウ理論と同様に、身近なところの荒みを徹底して除去することが大切で、そのためには「掃除」を徹底してやらなければならない。

「自分のため」とか「お客さまのため」といった、目先の損得だけに縛られて行動するのではなく、後世によりよい社会を残していくために互いに助け合いながら慮ることが大切である。

というような内容の講演会であった。聴いているだけで心が荒みが消えていったような気がした講演であった。

なお、鍵山秀三郎氏の愛読書は、森信三『修身教授録』、内村鑑三『代表的日本人』、坂村真民の詩集、らしい。
鍵山秀三郎氏の書籍も読んでほしいが、これらの本も必読書である。

ちなみに、ここで書いたブロークン・ウィンドウ理論(割れ窓理論)を教育現場で実践したのが、あの原田隆史先生。
↓こちらのDVDで詳細が聴けます。これもオススメ。
成功者の習慣 成功する人は何が違うのか [DVD]成功者の習慣 成功する人は何が違うのか [DVD]
出演:原田隆史
販売元:ビジョネット事業部
発売日:2008-03-31
クチコミを見る

■世界一の写真集

世界一の写真集―完全保存版 世界名景紀行世界一の写真集―完全保存版 世界名景紀行
著者:ピーピーエス通信社
販売元:ピエブックス
発売日:2009-12
おすすめ度:5.0
クチコミを見る


●世界一の名景・絶景

「世界で一番○○」な建造物や橋や湖や滝や橋などの写真集。

世界一というのは何と美しいのだろうか。息をのむ絶景の数々。

究極の写真集。



【こちらもオススメ】
安居良基著『世界でもっとも阿呆な旅
雑誌PEN『世界でいちばん好きな場所

■もしドラ

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだらもし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
著者:岩崎 夏海
販売元:ダイヤモンド社
発売日:2009-12-04
おすすめ度:4.0



このブログの読者よりオススメ本として紹介してもらった『もしドラ』を読み終えた。

非常におもしろい!

これは素晴らしい本だ!

マネージャー、部課長レベルの方は是非読んでください。



↓こちらのドラッカー『マネジメント』を横に置いて読むといいかも。
マネジメント - 基本と原則  [エッセンシャル版]マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]
著者:P・F. ドラッカー
販売元:ダイヤモンド社
発売日:2001-12-14
おすすめ度:5.0
クチコミを見る

■3月も終わり

セミナー講師を頻繁にやらせて頂いていると、来場者に懐かしい旧友や知人がいることも珍しくない。人前で喋るということに緊張することはないが、知人の前で喋ることは少し恥ずかしい。

「そんなに喋る人だったっけ?」って、マイク持って無口になってどうするんだ!?

セミナーはいつも来場者の反応を見ながらアドリブで喋るので、喋る内容は毎回微妙に異なる。あるセミナーで「プロフィールにいろんな肩書がありますが、経営者ではありません。私は職人です。」というような話をしたらしい。すると、昔からお付き合いさせて頂いていた某経営者からセミナー終了後に「ショックだった」というメールを頂いた。「経営者は辞めるのですね・・・」、「いつでも戻ってきてください」と。

そりゃ、昔は“経営者対経営者”としてお付き合いしていて、お互いどういう社会貢献ができるか、みたいな話もしていた相手が「経営者でありません」なんて大勢の観衆の前で言ったもんだから、ショックだったかもしれない。でも、これは相当時間をかけて自分と向き合った結論だ。自分と向き合い続けて絶対にブレない軸をもった。だから、色々話は頂くが当面経営をするつもりはない。

社会貢献の仕方はいろいろあると思う。経営者となって価値ある商品やサービスを世に出すことも社会貢献である。利益を出して税金を納めることも社会貢献である。人物を育て、組織を作ることも社会貢献である。私自身、天から命を授かった理由を考えると、自ら職人として研究に没入し、『世界中の会計情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること』だと思うし、それが最も社会に対し貢献できることであろうと思っている。

セミナー講師をすることも一つの社会貢献であると思うし、自らの研究のアウトプットの一つであると考えている。アウトプットができるからインプットができるわけで、逆にいえばアウトプットをしないのならインプットもしないだろう。だから、今後もいくつかあるアウトプット法の一つとしてセミナーは続けるとは思うが、セミナー講師を本業にするつもりは今のところない。今月のようにセミナーが立て続け入るというような状況はしばらくやめようと考えている。インプットし、知的生産活動を行い、その先にアウトプットがあるわけで、情報の価値が昇華したものをアウトプットしなければ知的生産活動に意味がない。セミナー講師だけやって、研究を怠るのは本末転倒である。

2月〜3月は知的生産活動を行うような余裕なく忙殺されていた。正直、ようやく3月が終わったか、という感じである。4月は自分の価値を高めることに没頭しようと考えている。










が…

その前に、明日からベトナムへ行ってきます(一応仕事)。


■博士の愛した数式 /小川洋子

博士の愛した数式 (新潮文庫)博士の愛した数式 (新潮文庫)
著者:小川 洋子
販売元:新潮社
発売日:2005-11-26
おすすめ度:4.5



先日購入した『an・an』の「本とマンガ」特集を見て、久しぶりに小説を読んでみた。

80分しか記憶がもたない数学博士と、家政婦さんと、その10歳の息子とが「数式」により結ばれていくという不思議な物語。

物語自体も「美しい」のだが、一つひとつの表現もまた「美しい」。

例えば、こんな表現がある。

『普段使っている言葉が、数学に登場した途端、ロマンティックな響きをもつのはなぜだろう、と私は思った。友愛数でも双子素数でも、的確さと同時に、詩の一節から抜け出してきたような恥じらいが感じられる。イメージが鮮やかに沸き上がり、その中で数字が抱擁を交わしていたり、お揃いの洋服を着て手をつないで立っていたりする。』(P99)

『ああ。行けども行けども素数の姿は見えてこない。見渡すかぎり砂の海なんだ。太陽は容赦なく照りつけ、喉はカラカラ、目はかすんで朦朧としている。あっ、素数だ、と思って駆け寄ってみると、ただの蜃気楼。手をのばしても、つかめるのは熱風だけだ。それでもあきらめずに一歩一歩進んでゆく。地平線の向こうに、澄んだ水をたたえた、素数という名のオアシスが見えてくるまで、あきらめずにね』(P100)

この本を読むまでは、数学というものがどうして純文学に成り得るのか分からなかったが、これはすごいの一言。

面白かったので、『an・an』に載っていた小説をまとめ買いしました。また紹介します。


■三木谷曲線

三木谷曲線先週、風邪で弱っていたときにテレビを見ていたら、テレビ東京系列の『ルビコンの決断』という経済番組に楽天の三木谷浩史社長が出演されていた。たった二人から始まった楽天市場の創業時に三木谷社長がどういう『決断』をしたのかということをドラマ化したもの。

インターネットショッピングモールというのは、楽天市場が創業した時には、既に大手が参入していたらしい。しかし、創業十数年経った現在、インターネットショッピングモールで同社は世界最大であると思うし、インターネット企業の時価総額でも世界でトップテンに入っているようだ。

この番組に三木谷社長も出ていたのだが、そこで『三木谷曲線』の話が出た。三木谷社長の著書『成功の法則92ヶ条』にも載っている話だ(上の図はこの本のP280より)。つまり、みんなそれぞれ切磋琢磨して努力しているのに、実際の製品・サービスに差が生じるのは、最後の0.5%の差であるということ。限界まで頑張ったその上に、さらに0.5%努力を重ねられるかどうか、ということ。この0.5%の差が、決定的な差になる。そして、自分自身の価値もそれで決まる。

これは、まったく同感である。自分の価値も、製品・サービスの価値も、会社の売上も、「三木谷曲線」のとおりだと思う。誰も努力していないわけじゃないと思うが、そこで満足したら、満足できる結果は出ない。

■2冊目

今年2冊目の書籍を先程納品しました。今回は「株式会社スリー・シー・コンサルティングIFRS研究チーム」との共著です。

「80:20の法則」の通り、8割の原稿は2割の時間で出来上がるものの、残り2割の原稿に8割の時間がかかります。睡眠不足と大阪の寒さにヤラれました。昨日は久しぶりに病院へ行ってきました。。。

もう次の書籍の締め切りが迫っているので、引き続きやったります。

なお、執筆中はいつもiPodを聴いてますが、今回、「1001のバイオリン」を100回くらい聴いたかもしれません。CMの影響で、一時iTunesStoreで売上No.1になっていた曲です。
この歌詞、最高ですね。
あまりにも気に入って、「甲本ヒロト全詞集」まで買ってしまった(でも、「1001のバイオリン」は載ってなかった…)。

「ミサイルほどのペンを片手におもしろい事をたくさんしたい!」


日曜日よりの使者の詩―甲本ヒロト全詞集日曜日よりの使者の詩―甲本ヒロト全詞集
著者:甲本 ヒロト
販売元:ジービー
発売日:2007-01
おすすめ度:5.0
クチコミを見る

■サイバーエージェント流 成長するしかけ/曽山 哲人

サイバーエージェント流 成長するしかけサイバーエージェント流 成長するしかけ
著者:曽山 哲人
販売元:日本実業出版社
発売日:2010-02-25
おすすめ度:4.0


ビジョナリーカンパニーの創り方!

昨日、2000年3月24日は、サイバーエージェントが東証マザーズに上場して、ちょうど10年経った日だったようだ(藤田晋社長のブログより)。

偶然、そんな記念すべき日に、サイバーエージェントの取締役であり、人事本部長である曽山哲人氏の『サイバーエージェント流 成長するしかけ』という本を読んだ。

取締役であり、度々メディアにも登場する人事部長ってのは珍しいと思う。しかし、こんな会社の人事部長の仕事はめちゃくちゃ大変だと思う。上場したときは40名程度だった社員数が、10年後には2,000人を超えている(連結ベース)。平均年齢は28.9歳と非常に若い。そんな若いパワーで連結売上高1,000億円に迫ろうとしている。著者の曽山氏は、こんな企業の人事部のトップである。どうやってこの社会経験の浅い船員ばかりが集まった船の舵取りをしているのか、メディアが気にならないわけがない(しかも、驚くことに曽山氏は元々営業部の社員で、人事に異動してまだ5年らしい)。

本書は、同社の『しかけ』を惜しみなく紹介してくれている。人材育成や福利厚生に関する話だけでなく、営業のはなし、経営のはなしなども紹介されている。経営理念や行動規範を全社員が共有する『しかけ』についても紹介されている。

離職率が30%を超えたこともあるベンチャー企業が、「働きがいのある会社」にランクインされるまでになった経緯は決して平坦なものではなかったものの、長い歳月をかけて、強固な組織であり、21世紀の“ビジョナリー・カンパニー”を創りあげたこの10年間の歴史を見ることができる貴重な内容である。

本書の帯に、藤田晋社長のこんなコメントが記載されている。
仮にサイバーエージェントが
まったく違う事業をすることになったとして、
たとえそれが うどん屋であっても 何であっても、
我々の組織をもってすれば、きっと成功すると思う。

人事に関しては絶対的な自身があるのだと思うが、どんな事業であっても成功できると言い切れるということは、つまり、本書で紹介されている『しかけ』は、どんな事業であっても参考にできるということだ。
経営者や人事担当者だけでなく、営業担当者や部下を持つ各部課長レベルの方にもオススメの一冊である。


【ベンチャー企業経営者の本】
藤田晋著『藤田晋の仕事学
三木谷浩史著『成功の法則92ヶ条

■多読術/松岡正剛

多読術 (ちくまプリマー新書)多読術 (ちくまプリマー新書)
著者:松岡 正剛
販売元:筑摩書房
発売日:2009-04-08
おすすめ度:4.0



●こんな読み方があったのか

『松丸本舗』がヤバかったので、松岡正剛氏についてもっと知っておこうと、松岡正剛氏の書籍をまとめ買いした中の一冊がこれ。

本書の帯に書かれている「こんな読み方があったのか」のキャッチコピーに偽りなし。

セイゴオ氏は「どんな本をどんな読み方をしてもいい」(P64)というが、本書に書かれている読み方一つひとつが参考になる。「本は二度読む」(P13〜)、「本は、すでにテキストが入っているノート」(P86)、「本棚との親和性」(P116)あたりの話も非常に共感できるが、第4章の「編集工学」の話もまたヤバい。

このブログは読書好きな方が閲覧してくれていることが多いが、そういう方には、『松丸本舗』で埋もれてみるとともに、本書に浸ってみることをオススメする。

『…こちらが無知だからこそ読書はおもしろいわけで、それに尽きます。無知から未知へ、それが読書の醍醐味です。』(P69)

■Twitterに登録してみた

いろんな方から「やれ!」と言われるも流し続けていたが、百聞は一見にしかずなので、先週、遂にTwitterに登録してみた。で、一週間つぶやきもせず、じっくり様子を伺ってみた。

まぁ、ブログと同じくすべてのエントリーが有用な情報というわけではない。情報が多すぎて「何とかならんか!?」というのが正直なところ。仕事中に見るとエライことになるし、放っておくと見る気が失せる。つぶやきの多さは想像を遥かに超えるものだった。
ただ、何名かのtweetをフォローしていると、昨夜のNHKの『激震メディア〜テレビ・新聞の未来』という番組が注目されていることが分かったし、その番組放送中に孫正義さんなど著名人が次々と番組に対するコメントを書き込んでいくのをライブで見ることが出来たことは、まさに『激震メディア』といった感じだった。

それにしてもこの討論番組、どうなんだろう? テレビ・新聞の未来について、何か有益なものが得られたのだろうか? 討論が全く噛み合っていなかったように思うし、テレビ・新聞に未来は無いということを結論付けられたような印象がある。
アメリカではこの数年間に約150もの新聞が廃刊になったらしい。そんな中、番組で、社員10名程度の新聞社が取り上げられていましたね。記者ゼロ、支店ゼロ。出張所ゼロ。私は、これがテレビ・新聞の未来だと思う。10年前のネット証券を見ているような感じになった。対面セールス廃止、営業マンゼロ、支店ゼロ、を打ち出した証券会社の社長が「異端児」とか「変人」とか言われていたが、今ではそれが当たり前になっている。図体のデカいテレビ局や新聞社、特にそれらの高齢役員に、この証券会社の社長のような「革命」を起こすことができるのか・・・できないことは番組を見て確信した。老兵は去らなければなりませぬ。

話は戻してTwitterだが、一つのメディアとして毎日接して行こうと思う。つぶやくかどうかは別として。

週刊 東洋経済 2010年 2/20号 [雑誌]週刊 東洋経済 2010年 2/20号 [雑誌]
販売元:東洋経済新報社
発売日:2010-02-15
おすすめ度:2.0
クチコミを見る
新刊書
公認会計士


プロフィール
公認会計士 武田雄治


●武田公認会計士事務所 代表
●関西学院大学 非常勤講師

武田雄治


■武田雄治本人によるコンサルティング、セミナー、執筆、取材等のご依頼は、武田公認会計士事務所のHPよりお願いします。
■業者様からの営業はお断りしております
■ブログのコメント欄に、コンサルティング等のご依頼や、個別案件についてのご質問・お問い合わせ等を書かれても、回答出来ませんのでご了承ください。

武田雄治のYouTube
youtube_黒字社長塾
もう一つのブログ
武田雄治 CFOのための最新情報ブログ
記事検索
Archives
経理アウトソーシング
経理アウトソーシング
「社長」の本分とは?
社長の本分_表紙
「経理」の本分とは?
経理の本分_カバー帯
『真の経理部』を作るためのノウハウ公開!
決算早期化の実務マニュアル第2版


決算早期化の原理原則!
決算早期化が実現する7つの原則


IFRSプロジェクトの進め方
IFRS実務

QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ