公認会計士武田雄治のブログ

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社長のための 借金の返し方・追加融資の受け方/川北英貴

絶対に会社をつぶさない!  社長のための 借金の返し方・追加融資の受け方絶対に会社をつぶさない! 社長のための 借金の返し方・追加融資の受け方
著者:川北 英貴
販売元:日本実業出版社
(2012-11-22)
販売元:Amazon.co.jp


中小企業の事業再生コンサルティングを行う株式会社フィナンシャル・インスティテュートの川北英貴社長の新刊書。

先月私が出した「1年で会社を黒字にする方法」は、銀行依存を脱却しP/Lを黒字にするための手法を述べましたが、本書「社長のための 借金の返し方・追加融資の受け方」は、既に銀行から融資を受けている方や、金融円滑化法を申請・適用しリスケをしてもらっている方に向けて、その後の借入返済・追加融資の手法について述べられた本です。

著者はもともと銀行で融資業務をされていたという経験があるため、銀行がどのように独自の信用格付を付けているのか、会社は総額でいくらまで融資を受けることができるのか、銀行と交渉する時のテクニックなどなど、銀行の内部にいなければ分からないようなことも詳細に書かれており、勉強になりました。

本書は、粉飾決算による延命措置の怖さについても述べられています(第6章)。私は銀行借入に依存している中小企業は、多かれ少なかれ粉飾決算を行なっていると思っています。著者も、「売上規模は変わらず、また大きな設備投資もしていないのに、借入金がどんどん大きくなってくのは、粉飾決算を行なっている企業によく見られる現象」(P157)、「粉飾決算を行なっていると、赤字を黒字に見せるためのつじつま合わせによって、貸借対照表のどこかにひずみが出てきてしまします」(P156)と述べています。しかし、一方で「粉飾決算を銀行は見破ることはできない」(P153)といいます。ホントかな・・・と思いましたが、もし粉飾決算がバレていたら、銀行は新規融資を出さないとか、既存融資の一括返済を求めるなどの対応に出るといいます(P145)。

金融円滑化期限切れまであと4ヶ月。この制度も一種の延命措置です。金融円滑化期限切れになる2013年4月以降にきちんと条件通り返済できる中小企業はごく少数だと思います。

粉飾決算を行なって融資を受けた会社も、金融円滑化の適用を受けた会社も、その多くはきちんと返済は出来ないため、本書を参考に、早い時期に銀行と交渉し、経営改善への取り組みをスタートさせることが望まれます。


以下、読書メモ。
■銀行から円滑に融資を受けるための3つのポイント
 (1)決算書
 (2)アピール書類
 (3)銀行との信頼関係
■銀行担当者に「口頭でアピール」しても、上層部まで伝わらない。
■銀行融資の「裏ワザ」はない。
■銀行からの信頼を低下させる4つの行動
 (1)過振り ・・・臨時の当座貸越
 (2)当座預金残高不足
 (3)先日付小切手
 (4)依頼返却
■支払いを止める優先順位
 (1)銀行融資の返済
 (2)税金・社会保険料
 (3)諸経費
 (4)買掛金・支払手形
 (5)給与
■リスケ交渉が第一歩
中途半端なリスケはせず、返済金額が0円近くなるまで返済金額を抑える
■延滞放置→「期限の利益」喪失→不良債権処理
  →債権のサービサーへの売却 or 保証協会からの代位弁済
   →保証人への取立、企業・保証人の資産差押、担保競売など
■手形割引も、通常の融資と同じように融資審査が行われる。
■リスケジュールを交渉するための4種類の書類
 (1)返済条件変更申込書
 (2)経営計画書(経営改善計画書)
 (3)月次資金繰り表
 (4)銀行別融資一覧表
■リスケ交渉前は口座残高をカラにせよ
■「担保を追加してほしい」と言われても断るべき
■リスケ中は基本的に融資は受けられない。
 リスケ終了後、返済再開すれば、再び融資を受けることはできる。
■保証付融資のリスケは「信用保証料」が追加でかかる(分割払い不可)。
■第2の資金調達(リスケ中の資金調達法)
 (1)売掛債権担保融資
 (2)不動産担保融資
 (3)車両のリースバック


▼ついで買いお願いします
社長のための 1年で会社を黒字にする方法社長のための 1年で会社を黒字にする方法
著者:武田 雄治
販売元:日本実業出版社
(2012-10-27)
販売元:Amazon.co.jp

書評「社長のための1年で会社を黒字にする方法」

公認会計士岩谷誠治先生のブログで拙著「1年で会社を黒字にする方法」をご紹介してくれてました。

>岩谷先生、ありがとうございます!

武田節炸裂してますかね・・・


▼クリック
1年で会社を黒字にする方法 書評ブログ



【関連記事】
[大西宏のマーケティング・エッセンス]会社を絶対につぶさない"目からウロコ"のテクニック

TKC主催 決算早期化セミナー

「TKC主催 決算早期化セミナー」が本日無事終了しました。
9月に第1弾を東京・名古屋・大阪で、11月に第2弾を東京・名古屋・大阪で開催しまして、いずれも基調講演で登壇させて頂きました。計6回で1000名近い方がご来場頂いたようです。

セミナーの内容はまた追ってエントリーできればと思っております。

TKCのスタッフの皆様には、本当に素晴らしいご対応をして頂きました。
会場も、六本木ヒルズ(東京)、ミッドタウン(名古屋)、リッツカールトン(大阪)と、これ以上ないくらいの会場で、相当テンションあがりました。

今週は5回も新幹線に乗るという激しい週ですが、よい思い出です。楽しかったです。


▼リッツカールトン(大阪)の会場
決算早期化セミナー@リッツカールトン

「大人げない大人になれ!」が文庫化!

大人げない大人になれ! (新潮文庫)大人げない大人になれ! (新潮文庫)
著者:成毛 眞
販売元:新潮社
(2012-11-28)
販売元:Amazon.co.jp


「2009年下期 良かった本」に選んだマイクロソフト日本法人社長の成毛眞氏の「大人げない大人になれ!」が待望の文庫化。

オススメです。
文庫を買い直して、もう一度読んでみます。


▼以前書いた書評
2009/12/19 大人げない大人になれ!

「TKC決算早期化セミナー」での講演が記事になりました

先日六本木ヒルズで行った「TKC決算早期化セミナー」での講演が記事になりました。

TKC決算早期化セミナーレポート 決算が早い会社、遅い会社――その違いは?



【関連記事】
「決算作業はマクドナルド化すべき」、武田雄治会計士に聞く



「経理の仕組み」で実現する決算早期化の実務マニュアル「経理の仕組み」で実現する決算早期化の実務マニュアル
著者:武田雄治
販売元:中央経済社
(2012-07-25)
販売元:Amazon.co.jp

ここでこうしていることが僕の幸せに直結する

過去に3回も「情熱大陸」に出た人がいます。

ミャンマーで「無償無給」で幼い命を救い続けている吉岡秀人氏。年間約2,000件の手術を行い、これまで手術した数は1万人を超えているようです。

昨年2011年1月16日、吉岡秀人氏が「情熱大陸」に出演されたの見た時は衝撃を受けました。

この時の放送がYouTubeにUPされていますので、お時間ある時にご覧ください。

▼情熱大陸 吉岡秀人 1/2
http://youtu.be/LBXvos_aXM4

▼情熱大陸 吉岡秀人 2/2
http://youtu.be/sZG5wiLKDUY


「求められるのを感じるから、ここで生きる」

「ここでこうしていることが僕の幸せに直結する」

このコトバをいつも持ち歩いているポケットサイズのメモ帳に書いており、時々読み返しています。その度、自分の感性を信じ、目の前のことや自分の願望にフォーカスするようにしています。

自分の選択したことが間違えているのではないかと感じることもあります。もっと良い選択肢があったのではないかと思うこともあります。隣の芝はいつも青いものです。けど、そんなことをあれこれ考えても仕方のないことです。選んだ道を貫くことで、自分のバリューが上がり、人を幸せにし、自分の幸せに直結すると信じるしかないと思います。


吉岡秀人の新刊書が出ました。今読んでますが、熱いです。コレ。また後ほど書評書きます。

1度きりの人生だから絶対に後悔したくない!  だけど、まわりの目が怖くて、なかなか動けない。そんな20代の君が1歩を踏み出す50のコトバ1度きりの人生だから絶対に後悔したくない! だけど、まわりの目が怖くて、なかなか動けない。そんな20代の君が1歩を踏み出す50のコトバ
著者:吉岡秀人
販売元:すばる舎
(2012-11-21)
販売元:Amazon.co.jp

TKC主催 決算早期化セミナー

六本木ヒルズAcademyhillsにて

TKC決算早期化セミナー1


TKC決算早期化セミナー2


TKC決算早期化セミナー3

講演 「これからの会計士の生き方、考え方」 の感想ブログ

先日登壇しまいた日本公認会計士協会準会員会主催の講演会「これからの会計士の生き方、考え方」の来場者の方が、ブログで感想(印象)を書いてくれてました。

http://ameblo.jp/oagore/entry-11406574006.html

http://ameblo.jp/oagore/entry-11407258898.html

うれしゅうございます!

社長は管理業務をするな!

経営のやってはいけない!〜残念な会社にしないための95項目〜経営のやってはいけない!〜残念な会社にしないための95項目〜
著者:岩松 正記
販売元:クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
(2010-11-15)
販売元:Amazon.co.jp


証券会社でトップクラスの営業マン、ベンチャー企業などで上場準備担当、その後税理士として独立・・・という珍しいキャリアをお持ちの岩松正記さんの本。

本書は、外からも中からも経営を見てきた著者が、「残念な会社にしないため」の95のアドバイスが書かれています。

非常に共感できるアドバイスが多い中でも、特に共感できるのは「社長は管理業務をするな」という項目です。

多くの中小企業の社長は、管理業務に時間をかけすぎです。人事・労務・総務・経理などなど。一方で、最も重要な社長の仕事であるセールス・マーケティング・イノベーションにほとんど時間を割いていません。

わたくしの新刊書「1年で会社を黒字にする方法」のP236にも書きましたが、売り上げが伸びずに悩んでいる会社の社長さんは、(1)怠慢である(=社長さんがやるべき仕事をやっていない)か、(2)仕事を抱えすぎ(=社長さんがやるべきではない仕事を社長さんがやっている)のどちらかのケースが多いように感じます。
(もちろん、零細企業が管理業務のために人を雇うべきではないと思いますので、そこは本業に割く時間とのバランスを考えて下さい)

著者岩松正記さんは、
一般に多くの方が管理業務と思っていることは、実は管理ではなく作業であることがほとんど。社長がすべきことはもっと別のこと。経営者は作業をしてはいけません。している暇は無いハズです。
とも書かれていますが、これも激しく同感。そんな暇は無いハズです。


経営のやってはいけない!



10年先まで生き抜くリーダーの条件/長谷川和廣

10年先まで生き抜くリーダーの条件10年先まで生き抜くリーダーの条件
著者:長谷川和廣
販売元:かんき出版
(2012-08-01)
販売元:Amazon.co.jp


これまで40年間書き留めたノートをもとに出版したという「社長ノート」シリーズでお馴染みの経営コンサルタント長谷川和廣さんの本。

実務を知らずに理論ばかりの経営コンサルタントが多い中、長谷川和廣さんは50億円もの赤字を抱える会社の代表取締役に就任しを、1年で黒字にし、3年で無借金経営に変貌させたという経営手腕の持ち主。ですので、書いていることも、理想論を掲げているのではなく、かなり実務的で実践的。「社長ノート」シリーズも含め、社長さんは学ぶところが多いと思います。

例えば、月次決算について。
月次決算を導入している企業は多いものの、それを実際の経営判断に活かしている企業は少ないと思います。著者は、これを「横着」だといいます。業績悪化に陥っている企業のほとんどは、「横着」
「業績悪化からの脱却のポイントは、月次決算による現状把握とコスト削減を徹底的にやり切れるかどうかということになる」
と書かれていますが、これは私が先月出した「社長のための1年で会社を黒字にする方法」の前半部分で言いたかったことと全く同じことです。1年で黒字にするための本質だと思います。

次に、リーダーシップについて。
企業を経営するにはリーダーシップも不可欠。著者はたった一言の言葉で社長さんに喝を入れます。
創業時に帰れ。

自分がやらなきゃ売り上げは上がらない。明日にも会社が潰れるという危機感。寝食忘れて走り回った。頭の中は仕事のことでいっぱい。常に考え、即行動・・・・・。
そのような創業時のエネルギーを思い出せ! といいます。
これは、巷に溢れるリーダーシップ論を凌駕する一言ですね。

これ以外にも、事業、財務、人事のマネジメントについて、非常に実践的に書かれています。業績悪化、赤字に悩む社長さんは、参考にしてみてください。


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プロフィール
公認会計士 武田雄治


●武田公認会計士事務所 代表
●関西学院大学 非常勤講師

武田雄治


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