公認会計士武田雄治のブログ

公認会計士武田雄治のもう1つのブログです。

【オススメ本】 池上彰が読む「イスラム」世界




昨日紹介した『ここがポイント!!  池上彰解説塾 1』と一緒に読んだ本。

中東問題・イスラム問題はこの2冊でバッチリでしょう。

ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の発祥まで遡り、スンニ派とシーア派の対立、イスラエル建国、中東戦争、イラン・イラク戦争、アフガニスタン侵攻、クウェート侵攻、湾岸戦争、9.11、アラフの春、民主化運動・・・と、お腹いっぱい。

宗教と独裁者の存在により、これまでどれだけの人が血を流したのでしょう。。。


【オススメ本】 『ここがポイント!!  池上彰解説塾 1』

ここがポイント!! 池上彰解説塾 1
池上彰+「ここがポイント!! 池上彰解説塾」スタッフ
海竜社
2014-09-29



この1年くらい、池上彰さんが出演されているテレビ番組を片っ端から録画しておりまして、ほぼ観ました。最近のお気に入りは『池上彰解説塾』です。学生時代にほとんど勉強もせず、教養もない私には、1時間でこれだけ勉強できる番組は時間を買っているようなもの。

この『池上彰解説塾』が書籍になりました。
(ちなみに、池上彰さんの本も、この書籍以外も片っ端から購入して、ほぼ読みました)

ウクライナ問題も、イスラム国の問題も、歴史的背景から説明してくれており、メチャクチャ分かりやすいです。


最近、池上彰さんの番組ばかり観ているので、私のセミナー・講演での口調が池上彰さんみたいになってきました。武田節はもうお見せできないかも。。。


【黒字社長塾】 売上を10倍以上あげる簡単な3つの技術 〜続編

黒字社長塾メールマガジンより抜粋。一部編集。)


プロ野球のペナントレースが終わったから、なんとなく寂しさを感じます。
めっきりテレビを観る時間が減りました。



今年も、月1くらいのペースで甲子園球場に行きました。



甲子園球場といえば、今年4月に
「売上を10倍以上あげる簡単な3つの技術」
というメルマガを配信しました。



これまでで最も反響が大きかったメルマガです。



今日は、
「売上を10倍以上あげる簡単な3つの技術 〜続編〜」
をお伝えします。





とても大事な話をします。




まずは、前回のメルマガをもう一度読んで下さい。



「売上を10倍以上あげる簡単な3つの技術」



で、このメルマガで書いた「アラレちゃん」と「美月」はその後どうなったのか。



売り子さんの腕には「1位」「2位」・・・と販売数ランキングが書かれた腕章が
付けられています。前回のメルマガは4月に書きましたので腕章が付いていませんで
したが、5月に入ってから腕に販売数ランキングの腕章が付けられていました。前月度
の販売数ランキングのようです。



「アラレちゃん」は想定通り、1年間を通して、販売数ランキング「1位」を保持して
いました。それもそのはずです。前回のメルマガで書いた『売上を10倍以上あげる簡単
な3つの技術』をきちんと1年間守っていました。



改めて、
『売上は技術』である
と思いました。



さて、大方の予想を覆したのは「美月」です。
なんと、1年間を通して、販売数ランキング「2位」でした。
「アラレちゃん」と比べて明らかに技術の劣る「美月」が、それでも販売数「2位」
を保持し続けていました。



「美月」を見て思いました。



□ これまでの2倍頑張れば、業界上位には食い込める(はず)!
□ でも、業界トップになるには、これまでの10倍の頑張りが必要!
□ つまり、業界1位と業界2位の差は大きい!


と。



「アラレちゃん」は、相変わらず、外野席を他の売り子の10倍歩いていました。



私はいつも「美月」からビールを購入するのですが、あまりにも「美月」が私のそばを
通らないことにしびれを切らし、一度「アラレちゃん」からビールを購入したことがあります。



すると、ビールがなくなった頃、「アラレちゃん」は私のそばに来るのです。



「お客さん! そろそろもう一杯いっとく!?」

って。


いく気がなくても


「いっとく! いっとく!」


ってなりますわな。



こうやって、人の倍稼いでいるわけです。



販売数ランキング2位の「美月」には、それはありません。
(でも、4月の頃に比べると、2倍は歩いていました)




黒字社長塾には、「黒字にしたい」という相談だけでなく「売上を上げたい」という
相談も多く頂きます。中には、手元に膨大な顧客データという「宝物」を持っていながら、
「売上があがらねーー」
って嘆いている社長さんもいます。



甲子園球場外野席という限られたエリア(マーケット)で、同じ味・同じ値段のビールを
売っても、売れる人と売れない人がいるのです。
新幹線の車内販売も同じですね。



皆様も、今のマーケットで、今の製品で、今のサービスで
売上を上げる方法は、ホントにないですか??



人間らしく住める場所

緑の棲み家
石井 修
学芸出版社
2000-09



昨年、山の上に家を購入しましたが、それまで高級住宅街といわれるところの豪邸をかなりの数見てきました。その中で故石井修先生という建築家を知ることになります。

山の上の豪邸でも、森林を伐採して、造成して、家を建てて、周りを塀で囲って・・・というものが大半です。

しかし、石井修先生の建築は、そうではない。
森林を伐採したり、造成して平坦な更地にするのではなく、森の中で可能な限り自然をそのまま残し、周辺の木々と調和させながら建物を建築する。

家を立てるために森を壊すのでなく、森と共存するための住空間を創る。

だから、敷地が平坦ではない。庭も平坦ではない。
門扉から建物が見えない家もあれば、玄関に行くのに階段を登り、トンネルを潜らなければならない家まである。

こんな感じ。

▼石井修氏建築 「目神山の家9」
(門扉から家に向かう途中の階段とトンネル、武田撮影)
石井修 目神山



「駐車場から玄関に行くのに、階段は登るわ、トンネルは潜るわ、雨が降ったらずぶ濡れになるわ、不便極まりない!」 と拒絶反応を起こす方もいるのですが、私は、むしろこのような家にこそ、”そのまんまの自然”の中で生活するということの究極の贅沢があると感じました。

すっかり石井修ファンになり、絶版になった本まで買って読みました。

こういう考えには共感です。
人間が人間らしく住みたいと思う時、豊かな自然環境の中にこそ安住の場所を見いだすはずである。人間も自然の一部であるかぎり、私たちの生活空間には土や緑が身近になければならないと思う。それは些細なものでもよい。一本の草木、一握りの土があることで、生活に安らぎと充実感を生み、私たちが自然と連帯して生きていることを教えてくれる。住まいは屋内と屋外が一体となり、建物や庭がその街と融合するようにつくられることで豊かな住環境が生まれるのではないかと思う。
[出所]石井修著『緑の棲み家』より抜粋


いろいろあって石井修先生の建築物を購入することは出来ませんでしたが、私の価値観をガラリと変えたことは間違いありません。

このような建築物が今後も出てきて欲しいし、いつか手に入れたいと思っています。
西なら西宮の目神山、東なら軽井沢かな。

【必読】 『ニッポン景観論』

ニッポン景観論 (集英社新書)
アレックス・カー
集英社
2014-09-17



「ああ、京都ってインドみたいな所なんですね」

これ、アメリカから来た学生が京都に来た時に言った言葉。

頭上に電線が張り巡らされている町は、先進国では日本だけ。
これがまるでインドみたいだと。

日本にずっと住んでいると当たり前になっている光景も、外国人から見ると異様な光景に見えるようです。

本書は、日本をこよなく愛するアメリカ人が、日本の景観を率直に批評したもの。

数多く掲載されている日本各地の写真は、「怒り」を通り越して、「絶句」です。

先ほどの、まるでインドのような電線の無法地帯の写真ばかりではありません。

● 景観を考えない巨大な鉄塔
● 乱立する看板、標語
● 緑や川を破壊する土木工事、ダム工事
● いたるところにあるコンクリートの壁面
● 周辺の自然や歴史環境をぶち壊す近代建築物


などなど、非常に多くの写真が掲載されています。

文章で書評を書くのが非常に難しいので、是非一度、書店で手にとって本書を見て下さい。


石原慎太郎氏が東京都知事になったばかりの頃だったと思いますが、東京都庁から東京の町並みを見下ろした時に「ゴミみたいな町だ」と発言されていた記憶があります。先進国を展望台などで見下ろすと実にキレイな光景が広がります。ヨーロッパの町並みも美しいですが、ボストンも感動的。しかし、東京は「ゴミみたい」だと日本人が表現する程の有り様。

本書を読んで感じるのは、日本の建築が、「歴史」「自然」「景観」環境」といったものを全く視野にしれていない、「建築工学」という学問の中で発達したのではないかという点です。賞を取るような著名な建築家が、周辺の景観や歴史を破壊するようなタワーマンションを建築された写真が94ページに掲載されておりますが、これを見た時は「アカンやろ!」とツッコミを入れました。国会議事堂の後ろにそびえ立つ某保険会社の高層ビルのようです。

本書では、景観の「成功事例」として、九州の黒川温泉が取り上げられています。ある一人の旅館オーナーが「自然を大事にしよう」と景観の向上を働きかけたようです。そして、派手な看板や歓楽街の雰囲気をさけ、橋を黒く塗り、周りの宿の壁を漆喰壁で統一するようにした。これだけのことですが、景観がきれいになり、人気があがり、ミシュランに掲載されるなど多くの賞を受賞するようになったようです。

一人ひとりがこのオーナーさんのように町の美化に対して関心を持てば、ゴミのような町も少しは美しくなるんじゃないでしょうかね。そのためにも、是非本書を一人でも多くの方に手にとって頂きたいと思います。



【オススメ本】 山田英夫著 「異業種に学ぶビジネスモデル」




超オススメの書籍 『なぜ、あの会社は儲かるのか? 〜 ビジネスモデル編〜』が文庫化されました。

ビジネスモデルに関連する書籍が多く出版されていますが、私はこの本が最も勉強になりました。

近年 ビジネスモデルのイノベーションが求められていますが、著者は、新たなビジネスモデルをゼロから構築するよりも、「異業種」のビジネスモデルを「移植する」ことを強くすすめています。

そこで、本書は、いろいろな業種のビジネスモデルを徹底して説明するという方法を採りながら、(1)異業種のどこを見ればよいか、(2)何を見ればよいか、(3)どうやって自社へ「移植する」のか、を提起してくれています。

星野リゾートが旅館業から再生・運営受託事業へシフトした事例や、スルガ銀行が顧客を法人(B)から個人(C)に転換させた事例など、豊富な事例が紹介されており、読み物としても非常に面白い内容です。

本書はこのような事例紹介にとどまらず、このような事例を元に、どうやってビジネスモデルを再構築していくのかというところまで導いてくれます。「ビジネスモデルを見る7つの視点」は是非とも押させておきたいところです。

【セミナー案内】 ”連結の女王” とセミナーをやります!

このテーマのセミナーは、どうしても飯塚幸子先生とやりたかったのです。

セミナー『改正企業結合会計基準解説セミナー』


次の3月期より「改正企業結合会計基準」が適用されます。

この改正により、「財務諸表の表示」「連結会計処理」が変更されます。

ただ、この改正は、きちんと理解しようと思うと、

 ●収益費用アプローチと資産負債アプローチの違い
 ●親会社説と経済的単一体説の違い
 ●損益取引と資本取引の違い
 ●純利益と包括利益の違い


といった点を、これまでのコンバージェンスの流れと共に理解する必要があります。

(ここを理解すれば、日本基準とIFRSとの違いについても理解が深まります)


本セミナーでは、単なる基準改正の論点説明だけではなく、このような改正に至った背景・思想もきちんと説明します。

IFRSの理解を深めたい方も、是非ご参加下さい。

このセミナーは、今年6月に日本公認会計士協会にて公認会計士の先生向けに行ったセミナーと同じ内容のものです。この度、上場企業・上場準備企業の皆様を対象に実施することになりました。
このようなセミナーは、最初で最後の開催になるかもしれません。是非お越しくださいませ。

セミナー後には懇親会も行います。
懇親会のみの参加も歓迎です(上場企業・上場準備企業勤務の方に限定させて頂きます)。


▼セミナー『改正企業結合会計基準解説セミナー』 開催概要
■ 開催日時:2014年12月19日(金) 
      14:00〜16:50(セミナー)、17:00〜19:00(懇親会)
■会場: 東京・品川
■ 講師:    
   武田雄治 /武田公認会計士事務所 代表
   飯塚幸子 /ラウレア 代表取締役
■内容:
   第1部 改正企業結合会計基準等による財務諸表の表示の変更点
   第2部 改正企業結合会計基準等による連結決算の変更点
■対象:上場企業・上場準備企業勤務の方
  (同業者・コンサル系・システム系企業勤務の方の入場はお断りさせて頂きます)


▼本セミナーの詳細・お申込みはこちら
セミナー『改正企業結合会計基準解説セミナー』


自分の価値観を変えなければ、人生は変わらない(17)

続き


何事にも「原理原則」ってものがあります。


 ・良好な対人関係を構築するための「原理原則」
 ・自分の能力開発をするための「原理原則」
 ・健康を維持するための「原理原則」
 ・ビジネスで売上を上げるための「原理原則」
 ・ビジネスで黒字化するための「原理原則」
 ・投資で儲けるための「原理原則」

などなど。

「原理原則」とは、自然の摂理であり、基礎的な真理ですから、いつでも変わらないものです。



「黒字社長塾」をはじめて3年位が経ち、多くの社長さんと触れ合う機会が増えましたが、
結果が出ない方は「原理原則」反することを熱心にされています。

「黒字社長塾」では、社長さんとのコミュニケーションを重視してますが、
その際に、「原理原則」をきちんと説明し、
「原理原則」をきちんと学習して、実践してもらうようにしています。
経営は不易流行です。

今ではほとんどのクライアントが黒字です。

自分の行動は「価値観」に支配されますが、
行動の結果は「原理原則」に支配されます。

だから、「原理原則」を学ばなければならないと思います。
「ノーハウ」とか「ハウツー」ではなく、「原理原則」です。



能力開発とか、自己啓発とか、引き寄せとか、スピリチュアルとか、宗教とか、思想とか
全力・全身で批判したり、軽蔑したりする方がいますね。

それも各人の価値観だからいいんですけど。

でも、一部の方が軽蔑するところにこそ「原理原則」があると思うのですよね。
少なくとも私の周りにいる結果を出している人達は、
「原理原則」の学習を継続しています。




▼こっそりオススメ本

京セラフィロソフィ
稲盛和夫
サンマーク出版
2014-06-04

自分の価値観を変えなければ、人生は変わらない(16)

続き


前回のエントリーを見てくれた方から、

「とは言いながらも、人脈は多そうですよねー」

と言われたのですが、

人脈はホントに多くないです。

ケータイのアドレス帳は殆ど登録してませんし、
LINEやFBのメッセンジャーでやり取りしているのも数名です。

意識的に絞り込んでいます。



『嫌われる勇気』のアルフレッド・アドラーがいうように

「人間の悩みはすべて対人関係の悩み」

です。


橘玲さんも自身のブログで

「『嫌いなひと』と付き合わないように
 自分の人生を設計できれば
 悩みの大半はなくなるはずです


とおっしゃっています。



いずれも、激しく同感です。



これは、ビジネスをされている方は、特に重要だと思います。
なぜなら、ビジネスをやる上で最大の経営資源は「時間」だからです。
(もちろん、人生における最大の資源も「時間」です)

ネガティブな人間とお付き合いする時間は、意識的にゼロにしなければ、
時間をドブに捨てることになります。
ネガティブな思考がうつります。
足を引っ張られることになります。

仕事面でパートナーを組むべき人は、ジェームス・スキナーさんも言っているように
その人と一緒にいて成長できる人です。

こういう人がビジネスパートナーだと無敵だと思います。



ただ、その人と一緒にいて成長できるかどうか、というのは見極めが非常に難しい。
見極められなければ、一緒にやらない方が良いと思います。

意識的に距離を置くべきは、

 ・あなたに生涯付いていく
 ・あなたのために働く
 ・あなたと気が合う
 ・あなたを尊敬している
 ・あなたのことが好き

などと言ってくる人です。

こういうことを言ってくる人とビジネスをすると、後になって100%後悔します。
膨大な時間をロスすることになります。
私の経験上。

まぁ、これも成長かもしれませんけど・・・・・・、
一度しかない人生、後悔するようなことは避けた方が良いです。



▼オススメ本
人間関係の悩みを解決してくれる本

【オススメ本】土井隆義著 「友だち地獄―『空気を読む』世代のサバイバル」




先日紹介した大平健著 『やさしさの精神病理』 では、最近の人間関係が、相手の心の中には踏み込まず、他者との対立や摩擦を徹底的に避ける関係に変遷してきたことが書かれていました。本書では、この人間関係を(”Hot” な関係との対比の意味で) ”Warm”な関係 と表現されていました。

そして、中島義道著 「『対話』のない社会―思いやりと優しさが圧殺するもの」では、このような”Warm”な人間関係を作り、若者から言葉を奪ったのは、「思いやり」を優先する教育であり、「やさしさ」が強調される社会を作った大人たちだ!、といった趣旨のことが書かれていたことに、私は少なからず衝撃を喰らいました。

真実を語ることよりも、他人を傷つけない「思いやり」優先の教育がなされてきたことが人間関係の変遷の原因である、というのです。

では、そのような教育を受けている子ども達や学校では、何が起こっているのか。
現代の人間関係について、子どもにフォーカスを当てて考察しているのが、本書「友だち地獄」
サブタイトルのとおり、「空気を読む」世代の人たちです。

本書では ”Warm”な関係 のことを「優しい関係」と表現しています。
本音で語るよりも、良好な関係を維持しようという「優しい関係」は、学校においても顕在化しています。友だちとの関係に敏感になり、微妙な距離感を持ちながら、リアリティの欠落した人間関係を維持しなければならないという、まさに「サバイバル」な生活を強いられています。人間関係(=友だちとの関係)は狭小化・固定化していきますが、これは「親友」とか「強い絆」とかいえるものではない。非常に情緒的で不安定な関係です。

驚くべきことは、自分の親とも「優しい関係」でなければならないという子ども達の姿。「優しい関係」の重圧が子ども達にのしかかっています。(P132参照)

親とも友だちとも本音で喋れない。
現実世界に対するリアリティがない。
他者との関係に敏感にならざるを得ない。
自分は周りから何も期待されていないのかもしれない。
自己肯定感がない。

そんな子ども達は悲鳴を上げます。

「私を見つめて」 と。(P134参照)


しかし、他者を傷つけず、「思いやり」のある子ども達は、声を出して叫ぶことが出来ない。

そのはけ口が、
いじめとなったり(第一章参照)、
リストカットとなったり(第二章参照)、
ひきこもりとなったり(第三章参照)、
ケータイでの繋がりを求めたり(第四章参照)、
最悪の場合は自殺であり(第五章参照)・・・、
という行為に繋がる。




「夜回り先生」で有名な水谷修先生の講演を聴いたことがあります。

こんなことを言っていました。


----------------------
父親は会社でストレスを溜めて帰ってくる。そのストレスのはけ口は母親に向かう。
母親は父親の愚痴や家事などでストレスが溜まる。そのストレスのはけ口は子供に向かう。
「何でそんなことするの」「そんなことをしてはいけません」と子供を否定することばかりを言い、母親が子供を「褒める」ということをしない。

その結果、何の罪もない子供は家庭内で相当のストレスを溜めている。

そこで、子供がストレスのはけ口をどこに向けるのか。

はけ口は、次の3つに集約される。

1つ目は、自分の両親に向ける。つまり、「反抗期」の始まりである。
2つ目は、他の子供に向ける。つまり、「いじめ」である。
3つ目は、自分自身に向ける。

飲酒、喫煙、染髪、ピアス、家出、ドラッグ、売春、リストカットなどなど、世間から非行と称される行為は、両親や他人を傷つけることの出来ない心優しい子ども達が、ストレスのはけ口として選んだ手段なのである。

これらの行為を「非行」として大人が封じ込めると子供達はどうなるのか。
はけ口のなくなった子供達は、最悪の場合、死を選ぶのだ。

----------------------


この生きづらい社会で、我々はどうやって生きていくべきなのか。

著者土井隆義氏は、生きづらさのない人生など、「現実らしからぬ」ことだと言います(P226参照)。
むしろ、この生きづらさと正面から向き合い、むしろ人生の魅力の一部として、その困難をじっくりと味わっていけ、と。

「じつはそれを問い続けることこそが、ひるがえってみれば『自分らしさの檻』から解き放たれ、『優しい関係』から抜け出すことにもつながっていくのではないだろうか。」(P228)


”人間関係”に関する究極の書ともいえる「自分の小さな『箱』から脱出する方法」においても、「どうやって箱から出るんだろう」と自分に問う時に、既に箱から出ている、というようなことが書かれています。

自分に問うこと、何らかの意味を求めざるを得ないことが、人間の本質であり、”人間関係”における、さらには”生きる”ということにおける真理なのだと思います。

この生きづらい社会と向き合い、苦悩したことが、何年後かに振り返った時に、「あの頃は良かった」と語る時が来るでしょう。

ただ、自分が経験した苦悩を、子ども達に負わせるべきではないと考えます。


【関連書】
森信三著 「母親のための人間学」「父親のための人間学」
池上彰著「池上彰の『日本の教育』がよくわかる本」
新刊書
決算早期化実務マニュアル3
新刊書
公認会計士


プロフィール
公認会計士 武田雄治


●武田公認会計士事務所 代表
●関西学院大学 非常勤講師

武田雄治


■武田雄治本人によるコンサルティング、セミナー、執筆、取材等のご依頼は、武田公認会計士事務所のHPよりお願いします。
■業者様からの営業はお断りしております
■ブログのコメント欄に、コンサルティング等のご依頼や、個別案件についてのご質問・お問い合わせ等を書かれても、回答出来ませんのでご了承ください。

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