公認会計士武田雄治のブログ

公認会計士武田雄治のもう1つのブログです。

ただいま執筆中

cafe


先日も書いたが、いま1冊、本を書いている。毎度のことだが、思うように進まない。ノッてきたとしても、2時間もPCを見ると頭痛がする。1日1000文字を100日書き続ければ10万文字を書ける計算になるのだが、そんな単純なものではない。ライターを使わずに本を量産する人は、どんな日常を過ごしているのか、とても気になる。

日経新聞の夕刊に、その人の仕事観、生い立ちなどを聞く「人間発見」というコーナーがあり、私が好きなコーナーのひとつでもある。先週、社会心理学者 加藤諦三さんが登場されていた。これまで加藤諦三さんの本は、10冊以上読んだだろうか。読みやすいのに、ズバズバと本質を突く内容にドキっとさせられるものが多い。齢83歳にして、今でもすごいペースで新刊書が出ているが、「人間発見」の記事によると、毎月2〜3冊のペースで本を書いているという。しかも、最初から最後まで自分で書いていると。これまで上梓した本は600冊以上だとか。恐るべし。

書きたいことが次から次へと出てきて、体力が追いつきません。疲れて横になっても、わら半紙を四つに折って、インクが出やすいマジックで書いたこともあります。常にノートを持ち歩き、地下鉄の中、駅のホーム、旅先のホテルのロビーでも書き留められるようにしました。「スピードが速すぎる。誰かが代わりに書いているのではないか」と疑われたこともあります。(2021/9/22)

変態だな…。

以前、作家 森博嗣氏のエッセイ『道なき未知』 (ワニ文庫)を読んでいたら、彼は、なんと小説を2週間で書き上げると書いていたが、いまだに信じられん。

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執筆に関してはモデルになる人がいないのだが、ある大物2人の執筆の進め方はマネしたいと思っている。

まず一人は、ピーター・ドラッカー。彼が本を執筆した時は、引きこもって数カ月間かけて書いていたらしい(というのをどこかで読んだことがある。出所不明。)。あれだけの本を書くのだから、数カ月間は引きこもるよなぁ〜と思う。私も、数カ月間かける限りは、棚に残り続ける本を書きたいと思う。

もう一人は、エマニュエル・トッド。彼の『思考地図』という本は刺激になった。この本の中で彼は、「私の仕事の95%は読書です(残りの5%は執筆です)」(P45)と書いている。そして、考えるとは、ひたすら本を読み、知識やファクトを蓄積していくことであり、その積み重ねによってやがてあるモデルが立ち現れてくる、とも書かれている(第1章)。さらに、「自分で考える」のではなく、「歴史に語らせる」のだとも(第2章)。哲学者のように、椅子に座って自問自答を繰り返し、思考を固めていくスタイルの人もいると思うが、エマニュエル・トッドにとっての思考は「哲学的な態度とは異なるもの」(P22)だと言い切る。私は「哲学的な態度」でモノを考えることが多いのだが、執筆中にこれをやると全く執筆が進まないことも分かっている。いまの私に必要なのは、このエマニュエル・スタイルかもしれない。

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ということで、月に2〜3冊も書くことは永遠にないだろうが、ピーター・スタイルとエマニュエル・スタイルを取り入れて、モノは書き続けようと思う。

FIREへの憧れはないが、「ペンと紙だけで生きている」と言いたい。いつか言ってやる!

新しいプロジェクト

人生は想定外の積み重ね。

バンコクに住みたいと思って昨年2月に下見に行ったのだが、その翌月からタイ航空が運休。同年5月に経営破綻。移住計画は延期に。

それから1年半、訳あって、沖縄の北谷(ちゃたん)にマンションを借りた。

来月からデュアルライフをすることに。

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さて、その沖縄で新しいプロジェクトが始まります。
「おきなわ熱中小学校」という大人の学び舎が10月に開講します。

「もういちど7歳の目で世界を…」を合言葉に、大人が再び学ぶ場所を作り、地方創生に繋げようというプロジェクト。私も支援しています。

この度、運営費をクラファンで募集することになりました。
締め切りは9月30日(木)ですが、あと70万円ほど足りません…

ご協力可能方は、一口でいいので出資をお願い致します。

熱中小学校_クラファン



明日(9/26)はオープンスクールを開催しますので、こちらもお時間ある方は参加してみてください(無料)。


▼オープンスクール(9/26) 
おきなわ熱中小学校 オープンスクール

▼クラウドファンディング(9/30まで)
[CAMPFIRE]熱中小学校を「おきなわ」に開校したい!


▼世界日報が取り上げくれました。
熱中小学校

大学の授業開始

監査論


今日から大学の後期授業を受け持つことになった。

対面授業がNGになり、オンライン授業になったのは残念だが、学生達にインスピレーションを与えていきたい。

私が登壇する時にいつも思い出すのが、恩師平松一夫先生が何度も言っていた「教育とは、知識を与えるのではなく、インスピレーションを与えることだ」というコトバ。今回、縁があって、縁もゆかりもない大学で15コマの講義を受け持つことになったが、受講生諸君に知識を与えるつもりはない。ただ、生きた大きなインスピレーションは与えたい。長い人生を振り返った時に、「あの時、武田の授業を聴いて、人生が変わった」と言ってもらえるようなものになるように受講生と真剣に向き合ってみようと思う。

今年 あと100日

昨日(2021/9/22)の日経新聞の全面広告。

宝島社_210922
(宝島社HPより)

国民は
自宅で見殺しにされようとしている。


今も、ひとりで亡くなっている人がいる。
涙がでる。
怒りと悲しみでいっぱいになる。
この国はいつから、こんなことになってしまったのか。
命は自分で守るしかないのか。

宝島社による5月11日以来の全面広告。5月の意見広告は「今こそ、怒りの声をあげるべきだ!」というものであったが、今回の意見広告は怒りを通り越した感。

医療逼迫への対応が必要なことは年初から分かっていたはずだし、3月の時点でファイザー製ワクチン1億回分が日本に到着すると河野太郎大臣は言っていたにも関わらず(2021/3/12日経より)、なんで9月になって自宅で見殺しにされようとする人がいるのか。危機管理の薄さ、後手後手の対応、スピード感の欠如、戦略の不明確さ、正常性バイアス、厚労省、縦割り行政…などなど失策をあげつらってもどうにもならないが、お粗末な限り。まさに緊急事態。

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2021年も残すところあと100日

編集長に「年内に仕上げる」と約束した原稿が、まだ2万文字程しか書けていない(書籍になるには最低10万文字はいる)。進めば進むほど色んなアイデアが湧いてきて、一歩進んで二歩下がるを繰り返し、先に進めないというジレンマに陥ってきた。まぁ、いつものことだが。

楽しんでやるのみ。
No Fun,No Life!!



【学びは自由であるべき】工藤勇一・鴻上尚史『学校ってなんだ!  −日本の教育はなぜ息苦しいのか』 (講談社現代新書)



学校の「当たり前」をやめた。』の著者 工藤勇一氏(元麹町中学校長)と、『同調圧力』の著者 鴻上尚史氏の2人が、「学校」について対談した本が発売された。この2人が対談したらどういう結論になるのか想像できるのだが、興味あるテーマなので読んでみた。

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まず、こんな調査結果を。
世界9カ国の17歳〜19歳、各1000人の若者を対象にした意識調査結果(P98より)。

自分を大人だと思うか

愕然とする結果。
すべての項目について最下位。しかも、いずれの数値も他国の半分程度。
「将来の夢を持っているか」については、日本・韓国以外はほぼ100%がYESと回答しているが、日本は60.1%に過ぎない。「自分を大人だと思うか」については29.1%に過ぎない。

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もう一つ、別の調査結果を。
日本、米国、中国、韓国の4か国の高校生を対象にした意識調査結果(P101より)。

自己評価

「自分はダメな人間だと思うか」にういては、72.5%がYESと回答している。

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こういう結果をみて、「日本はダメだ」「子供はダメだ」で済まされる問題なのか。工藤勇一先生は、「日本の教育の最大の課題はこの調査結果にこそある」(P99)と述べているように、これは日本の教育の問題なのだ。私もそう思う。

日本の教育は、明治以降から富国強兵のための一斉教授型の受け身の授業を続けている(P79、P254参照)。個人の自律や、多様性という考え方はなく、国家や校則(ブラック校則)に従属する人間を育成してきた。人と違うことは許さず、髪の色も、ソックスの色も、言動も、何もかもが人と同じことを求めてきた。協調性が重視され、個性を潰してきた。そんなことを何十年とやってきたから、教師も親も生徒も「教育とはそんなもの」と思い込んでいる。

これが「当事者意識」を低下させ、「自己肯定感」を低下させた。戦後教育の成れの果てである。「自分で考えない」教育をしてきたため、自律せず、自己肯定感が低く、他者に対する優しさもない(P102〜参照)。

ここで、工藤勇一先生が麹町中学校などで行ってきた改革については、他の本にも書かれているが、本書にも詳しく書かれている。私が最も共感したのは、学校教育の最上位目的として、「個人のwell-being」「社会のwell-being」を置いていることだ。社会の多様性(タイバーシティ)を受け入れつつ、個人の自律を促し、社会も子供もwell-being(幸せ)を目指すべきという考えを示し、そのために不要なもの(宿題、定期試験、ブラック校則、担任制、一斉教授型授業など)を廃止した。

人間はみんな違っていいのだ。誰一人として同じ人間なんていないのだから。

しかし、人間はみんな違っていいという教育をすると、当然に対立が起きる(様々な利害を持った人物が集まると対立が起きるのは会社でも同じこと)。ここで、リーダーに求められるのは「対話」である。先日紹介したソニーの平井一夫元社長兼CEOの本や、ダイキンの井上礼之会長の本にも書かれていたように、利害が対立した人たちを束ねるには「対話」をするしかない。対話を通して、全員を当事者に変えていき、「腹落ち」するまで話し合うことによって、他者との違いを受け入れ、合意することができる(P207、P245、P256等参照)。そうやって対立する「個人のwell-being」と「社会のwell-being」を同時に達成させていく。

と、マネジメント論やモチベーション論の教科書に出てきそうな話であるが、それを複数の学校で実践され、結果を出してきた工藤先生はすごいとしかいいようがない。はたして、他の先生方がマネできるのかというと、どうだろうか?

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先日、本書のタイトルと同じ「学校ってなんだ!?」というブログ記事を書いた。ここでも書いたが、戦後から何も変わらないシステムが、これから変わるとは思えない。正しい教育を受けさせたいと思うのであれば、教育を受けさせる「場」を変えるしかないとも書いたが、もう一つ補足すると、大人が変わらないといけないと思う。

それは、「人間はみんな違っていいのだ」という当たり前のことを理解し、子供に自分の価値観を押し付けないということだ。

子供を愛していない親はいないと思うが、そうであれば、親のエゴを捨て、子供のwell-beingを最優先に考えるべきだと思う。

そもそも学びは可能なかぎり自由であるべきだと思うんです。自分の意志で独りで学んだり、学び合ったり、こうした学びの環境があることこそ個別最適だと私は思っています。(P255、工藤氏談)

【親の知らない生きづらい子供達】 石川結貴『スマホ危機 親子の克服術』 (文春新書)




小中学生くらいの子供を持つ父親・母親から聞く話の3位以内に入るのが、子供のスマホ・ゲーム問題。スマホ・ゲームを買い与えたが最後。ルールも守らず、宿題もせず、寝る時間を削ってでもやる。注意をすれば、「うっせー」「うぜー」「くそババー」「てめぇ」「しね」といった言葉を浴びせられる。スマホ・ゲームを取り上げたり、隠したりした日にゃ、暴れるわ、暴力を振るうわ、手も付けられない状況になる。そんな我が子に、ブチ切れるか、見て見ぬ振りをするか、もしくは両方か、という家庭が多い気がする。

親の気持ちはよく分かる。「てめぇ」「しね」などと言われる筋合いはない。ブチ切れて当然。誰に対してその口を叩いてんだ、このクソガキめが! と言ってやれ。

けど、それで問題は解決しない。

子供はいったい何を考えているのか?? それをうまくまとめてくれているのが本書『スマホ危機 親子の克服術』 (文春新書)。著者は、 これまで『スマホ廃人』など家族・教育問題の書籍を多く上梓されているジャーナリスト。

本書を読みながら、小中学生の頃を思い出した。あぁ〜、そういえば、親に隠れてエロ本を読んでたなぁ〜と。自室とか、友達の家とか、学校の裏庭とか…。親に内緒で遊んでいた「居場所」ってものがあった。

時代は変わり、あれから何十年か経ち、今の子供たちの「居場所」はスマホの中になったのだ。そこで、親に隠れてエロ本を読むように、親に隠れてオンラインで誰かとつながっている。私はオンラインゲームをしたことがないので分からないのだが、今のオンラインゲームはゲーム内の友達と一緒に遊べるようになっているらしい。だから、スマホ・ゲームを取り上げられるというのは、これまで安心して遊べた「居場所」が奪われ、仲間が奪われることにほかならない(P195参照)。だから親が許せなくなる。あらゆる暴言、暴力を使ってでも「居場所」を取り戻すのだ。

では、なぜそこに「居場所」を求めるのか。それは、家庭内に「子供なりの生きづらさがあるからだ」(P203)。子供だけでなく、大人だって「承認欲求」というものがある。最近流行りの言葉でいえば「自己肯定感」だろうか(P202)。しかし、家庭内での承認が欠如しているので、不安になる。スマホ・ゲームの世界では、たくさんの人と繋がりながらリア充ぶりをアピールすれば、多くの人から存在を承認される。家庭内でも不安があるからオンラインに承認を求めるが、オンライン上でも(いつ友達との繋がりが消えるか分からないという)不安がつきまとう。だから一層、オンラインの繋がりを求める。親とのルールを破ってでも、寝る時間を削ってでも、スマホ上での繋がりを求めることに必死になる。

このように見ていくと、問題の本質は、大人も子供も同じなのだ。大人も子供も不安があり、大人も子供も承認を求めている。分かりあえないのは、親が「ゲームをするとバカになる」とか「勉強しないと大学にいけない」とか、正論を振りかざすからだ。誰しも正論を振りかざす人間に心を開くことはできない。

これは親子関係に限らず、教師・生徒、上司・部下の関係にも当てはまると思う。相手への存在承認なくして、相手が心を開くことはない。

人を思い通りに動かすことなんてできるはずがない。血の繋がった親子だって同じ。人には人の世界観がある。子供に価値観を押し付けたり、子供の世界観に土足で踏み込んだりする親が多いと思うが、自分がされて嫌なことは子供も嫌に決まってる。

本書は、どうすれば親子の関係を克服できるかの術が書かれてる(第6章)。実際はそう簡単にはいかんやろ…とツッコミを入れたくなる箇所もあるが、まずは親が変わらねばならないという点においては参考になると思う。


【関連図書】
陰山英男『子どもの幸せを一番に考えるのをやめなさい』 (SB新書)
アグネス・チャン『スタンフォード大に三人の息子を合格させた 50の教育法』(朝日新聞出版)
宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』 (新潮新書)
森信三『家庭教育の心得21―母親のための人間学』(致知出版社)

アルコール禁止の店先でアルコール

定宿のホテルの部屋のノブに、毎朝、読売新聞をかけてくれる。「編集手帳」を読むのを楽しみにしていたため、かなり昔に読売新聞を頼んだら、それ以降ずっと読売新聞をかけてくれる。

今朝、パラパラめくっていると、「読売俳壇」の一句に目がとまった。

アルコール

「アルコールも戸惑っているか。」

うまいこと言うねぇ。

色んな人が戸惑っているよね。もう9月末で終わりにして欲しい。

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下のTシャツは、行きつけのワインバーの店主が作ったもの。
カウンター6席のみの小さなバーで、酒類提供を禁止する意味が分からん。

酒類提供


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アルコールは心の傷をも治す。

酒類提供禁止は、友とface to faceで会う機会を奪った。

故に、酒類提供禁止は、心の傷を治してくれる機会まで失った。

三段論法。

アルコール


もとい。アルコールでは心の傷は治せない。

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今日は、都内某所で経営者向けの8時間のセミナーに登壇した。

緊急事態宣言中ということで、感染症対策を施して対面講義をやりながらも、オンラインでの同時配信という初の試みをやってみたのだが、遠方から対面受講してくれた方も多かったのは嬉しかった。私としては、対面で受講生とface to faceで講義するのが好きだ。

今週から始まる某大学での後期授業、15コマ全てがオンライン授業になることが確定した。残念でならない。大学生とface to faceで対話したかった。学生達も残念だろう。貴重な大学生活を友達とも会えないんだから。山手線での通勤が許されて、大学通学やワインバーが許されないのは不条理だ。

8時間セミナー終了後、新大阪に向かうべく、何も考えずに新幹線の改札をくぐったのだが、新幹線の改札内はKIOSKもコンビニもビール販売を自粛していた。OMG!! 拷問だ。

3連休の最終日の夜、新幹線はほぼ満席。列車の密はいいらしい。もう、この国、訳が分からん。


LoveBeer


(※ 画像はいずれもネットから拝借した)

秋の夜長に

シェラトン都

東京某所でセミナーがあるため、前泊で東京入り。

誰かを誘って飲みに行こうという気分でもなく、本を3冊持参して、定宿に早めにチェックインした。眼下に八芳園。

食事はインルームダイニングで済まそうと思ったのだが、持参した本を読み切ってしまい、恵比寿アトレの有隣堂書店へ行った。以前恵比寿に住んでいたことがあり、その時はよく通った書店だが、それ以来の訪問。随分とレイアウトが変わっていたが、店内は静かで、書店のリコメンドする本の棚が多いのは嬉しい。店内アナウンスがやかましく、ベストセラーだけ平積みしている某大手書店とは大違い。リコメンドの棚から、1冊買って帰った。有隣堂書店へのリスペクトとして。

それにしても久しぶりの恵比寿の街は活気があった。今の大阪では見られない光景だ。飲んでる人もたくさんいた。開店前のある餃子屋を覗くと、店に入れてくれた。フツーに酒類提供をしていたので、ビールと餃子を頼んだ。客は私のみ。アクリル板やシートを使って過剰なほどの感染症対策を施していたので、カウンターに座ってるのにマスターと喋ることもできなかった。残念でならない。ただ、恵比寿で飲むエビスビールは最高に美味かった。誰に何を言われようが、こういうのが好きだ。

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結局、今日4冊の本を読みふけっていたのだが、その中でダントツに面白かったのが、タリーズコーヒージャパン創業者 松田公太氏の『すべては一杯のコーヒーから』 (新潮文庫)という本。

スターバックスフリークの私に、友達から「これも読め」ともらったもの。

初版は2002年で、タリーズコーヒーが日本に進出した数年後に刊行された本。創業社長の松田公太が27歳の時、友人の結婚式で訪れたシアトルで当時5店舗しかなかったタリーズと出会い、その味に衝撃を受ける。再度シアトルを訪れ、シアトルにあるスペシャリティコーヒー店を飲み歩き、タリーズを日本に持ち込むことを決意する。帰国後、勤めていた三和銀行を辞め、タリーズと独占契約を締結するのだが、そのプロセスがまたすごい。契約に至るまでの努力、行動力たるや、そんじょそこらの起業家がマネできるレベルではない。タリーズとの契約締結後も数々の困難にブチ当たるが、ほとんどの人間が挫折するような困難も彼は乗り越えていく。この想いや情熱がなければ、こんな大きなことは成し遂げられないのだということを痛感する、ドラマのような起業物語。忘れかけていたものを教えてくれた気がする。起業したいと思う人には是非とも読んで欲しい一冊だが、全体を通して、経営とはなんぞや、リーダーとはなんぞや、人生とはなんぞや・・・ということを教えてくれる内容なので、すべてのビジネスパーソンにオススメしたい。



【リーダーシップ】井上礼之『人を知り、心を動かす ーリーダーの仕事を最高に面白くする方法』(プレジデント社)

人を知り、心を動かす-リーダーの仕事を最高に面白くする方法-
ダイキン工業会長 井上礼之
プレジデント社
2021-03-29



空調業界世界No.1企業、ダイキン工業 井上礼之会長の新刊書。

ダイキンは、日本の上場企業の時価総額ランキング12位(8.2兆円、現時点)。大阪本社の会社では、キーエンスに次いで2位

井上礼之会長がダイキンの社長に就任した1994年と現在(2021年)を比較すると、
 ・株価は約30倍
 ・売上高は約6.6倍
 ・営業利益は約83倍
 ・海外生産拠点は約10倍
となっている。

現時点で従業員数は約83,000人、海外従業員比率は8割以上になった。「かつて地味で収益の上がらない『ボロキン』と揶揄されたダイキン工業」(P3)が、世界No.1のグローバルカンパニーになったのだ。

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井上礼之会長は、(珍しいと思うのだが)総務・人事畑から社長になった方。それもあってか、本書を読んで強く感じるのは、「人を通じて事をなす」という経営をされてきたということ。メンバーひとりひとりに関心を持ち、メンバーひとりひとりを成長させ、そのメンバーひとりひとりの成長の総和が組織の成長の基盤となり、上述のような組織の劇的な成長へと結びつけていった、ということがよく分かる内容。もちろん技術力もNo.1なのだと思うが、個々の能力を最大限に発揮させ、その力を束ねて組織の力にし、その力で会社を世界No.1に成長させていったのだろう(P148〜参照)。

リーダーは、戦略は二流でもいいが、実行力は一流でなければならない(P158〜)。デジタルの時代だからこそ、face to faceの対話を重視するリーダーの姿勢は共感した(P78)。先日紹介したソニーの平井一夫元社長兼CEOと同じように、井上会長も世界中の拠点を周り、直接現地のメンバーとコミュニケーションを取るようにしてきたという(P81)。中には優秀じゃないメンバーもいるだろうが、「すばらしい料理人は、理想の食材がそろわなくても、目の前に用意された食材で最高の一品を作る」(P151)という一言はノートにひかえておいた。ホンマその通り。

メンバーひとりひとりを大切にすることは、ダイバーシティ(多様性)を尊重ということでもあり、異質な人材をいかに束ねて組織にするかという点も、これからのリーダーに求められる(P54〜)。組織やリーダーの価値観を押し付けたり、帰属意識を求めたりする時代ではなくなっており、異質で多様な人材の能力や発想を企業競争力につなげる時代になってきた。リーダーが夢を語り、理念を語り、メンバーを束ねる力がこれまで以上に必要となると思う(P192〜)。「同じ色の絵の具を混ぜても1つの色しか出ませんが、いろんな色の絵の具を混ぜると、ときにはとんでもない素晴らしい色が出せたりします」(P195)というコトバも気に入った。これもノートにひかえておいた。

1〜2時間もあればさらーっと読めてしまう本で、私も最初は1時間位でさらーっと読んだのだが、その後何度か読み返したら赤線だらけになってしまった。時価総額ランキング12位の会社の現会長の書籍が役に立たないはずがない。得られるものは多かった。

all you need is already within you

all you need is


上の画像はネットから拝借した。いい言葉。


今日はYouTube Liveだった。視聴者からのリクエストにより『これからの稼ぎ方』というテーマで、ウダウダと喋った。アーカイブ配信はこちらより。

『これからの稼ぎ方』を喋るにあたり、Liveの冒頭で、昨日紹介した山口周著『ビジネスの未来』に触れた。触れておいた方が良いと思い。

山口周さんは、右肩上がりの高度経済成長というのは既に終わっており、「高原」に到達したという主張を展開している。最近、一部の経済学者が述べている「脱成長」(=成長を諦めろ)の議論とは異なるが、ここを深掘りすると話が長くなるので、また今度にでも。

もはや経済成長が望めないとなると、日本型雇用とも言われるメンバーシップ型雇用や、終身雇用、年功序列、新卒一括採用が成り立たなくなり、ジョブ型雇用へと移行していくと思っている(既に日本の上場企業でもジョブ型雇用への移行を始めた企業がある)。さらに、ダイバーシティの促進や、リモートワーク、副業OK、時短OK、週休3日OK、地方移住OK…という企業も珍しくなくなってきた。

こういう移行期は、「古いルール」を残しつつ、「新しいルール」を取り入れる。しかし、「古いルール」はいずれ抹殺される運命にある。そうやって「雇用契約」というのが長い時間をかけて消えていくのではないだろうか…というのが私の考え。スキルのある個人が手を組んでいく働き方になっていくだろうし、既にそういう流れだと思う。

では、『これからの稼ぎ方』はどうなるのか。上述のように働き方が変わるという前提で考えれば、個人のスキルやバリューを高めていくべきだと思う。拙著『経理の本分』でも書いたが、私は、自分の価値と労働時間は比例しないと思っているが、自分の価値と年収はいずれ収斂すると思っている(P174〜参照)。どう稼ぐのか(労働するのか、起業するのか、投資するのか…)を考えることも大切だが、自分のバリューを高めることの方が大切だと思う。企業にもイノベーションが必要であるように、個人にもセルフ・イノベーションが必要で、知のアップデートしなければならないと思う。

という話しをLiveで言いたかったんだが、多分言い切れてないので、補足しておいた。

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ちなみに、Liveが終わってから、ワールドビジネスサテライトに20年くらい出演されていたロバート・フェルドマンさんが共著で書いた『盾と矛』という本を読んでいたら、2030年までに1600万人が職を失う「大失業時代」に備え、「学び直し」が必要だというようなことが書いてあった。

ただ、ここの「学び直し」とは、自分が持っていないスキルを学ぶことを提唱している(P30〜参照)。しかし、私は、20代、30代ならまだしも、それ以上の歳の人が未知のジャンルに飛び込む努力をするよりも、既知のアップデートをするべきだと思っている。ゼネラリストが勝ち残れない時代に、ゼネラリストを目指してどうするんだ、と思うので。

自分にしかない才能(の原石)は、きっと自分の中にある。それを磨くべきだと思う。


all you need is already within you.


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