公認会計士武田雄治のブログ

公認会計士武田雄治のもう1つのブログです。

死を語る

終戦記念日の翌日(2017/8/16)の日経新聞朝刊コラム『春秋』に、目が留まりました。
人が死ぬと霊は故郷へ向かう。歳月が過ぎると霊は個性を失い、他の祖霊と融合して氏神になり子孫を見守る。柳田国男は「先祖の話」でこう説く。本書は1945年春に執筆された。敗戦による人心の荒廃を予期したのか。柳田は驚くべき呼びかけをする。生き残った者が散華した若者の養子になるべきだ、と言うのだ。

子をなさず戦死した若者を新たに私たちの先祖に迎え、彼らとともに戦後社会を再建することを提案した。柳田は民俗学を「省察の学問」と呼ぶ。悲惨な過去をより良い社会を形成するための力にすべきだとの倫理観が底流にある。(以下省略)

色んな意味で凄い文章。

ちょうどこのコラムを読んでいた前日に、佐藤優氏・中村うさぎ氏の対談『死を語る』(PHP文庫)を読んでいました。タイトル・内容に惹かれた訳ではなく、佐藤優氏・中村うさぎ氏の対談ということで。

この対談、もともとは『男と女』がテーマだったようですが、対談直後(2013年夏頃)に中村うさぎさんが体調を崩し、心肺停止など生死の境をさまようという経験をされたことから、『死』をテーマにすることになったようです。

『死』の捉え方は、文化圏や宗教によって異なる話は興味深い。キリスト教、仏教、イスラム教によって『死』の捉え方は全く異なります。日本は地域・時期によって異なるのでしょう。戦後、上の柳田国男のような考えがあったことには驚きました。

『死を語る』の中で、死の一歩手前まで経験した中村うさぎさんのコメントが印象に残ります。心肺停止になっても、「天国の門」も「三途の川」も見えず、絶対的に「無」になった、といいます。痛みもなく、感覚もなく、感情もない。そして、それを「救済」と感じたと。そこで、私は何者かになろうと必死で生きてきたけれど、本当になりたかったのは「何者でもない」存在だったんだと気付いた、ともいいます。

私は(もちろん)『死』を経験したことはありませんが、(色んな『死』の捉え方がある中で)中村うさぎさんのいうような「絶対無」なんだろうなぁという気がします。以前、中村うさぎさんの『あとは死ぬだけ』(太田出版)という本を読んだ時も、この人の思想には相当驚かされましたが、本書(『死を語る』)もなかなかでした。

8月は色々と考えます。改めて、生を楽しもうと思いました。


死を語る (PHP文庫)
佐藤 優
PHP研究所
2017-08-03

ドラッカーの『マネジメント』を読む

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則
ピーター・F・ドラッカー
ダイヤモンド社
2001-12-14



再びピーター・F・ドラッカーの『マネジメント』を読み返しました。

何度読んでも痺れます。

企業の目的は、『顧客の創造』である。したがって、企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。


では、その「マーケティング」、「イノベーション」とは何かのかという説明がまた痺れます。

実のところ、販売とマーケティングは逆である。同じ意味ではないことはもちろん、補い合う部分さえない。もちろんなんらかの販売は必要である。だがマーケティングの理想は、販売を不要にすることである

イノベーションとは、発明のことではない。技術のみに関するコンセプトでもない。経済に関わることである。
(中略)
イノベーションとは、人的資源や物的資源に対し、より大きな富を生み出す新しい能力をもたらすことである。


企業の目的たる『顧客の創造』のために、われわれは何をしてきたのか。

マーケティングイノベーションにどれだけの時間を割いてきたのか。

そういうことを考えると、何もしていない、できていない、という社長さんが多いなぁ〜と感じます。

「顧客とは誰か」との問いこそ、個々の企業の使命を定義するうえで、もっとも重要な問いである。


この顧客の定義、顧客の絞り込みは、マーケティングをする上でも非常に重要ですが、できていない社長さんが多いような気がします。


この『マネジメント』という本、過去にも買ったことがあるのですが、ボロボロになったので、2冊目を買い直しました。良い本は何度読んでも得られるものがあります。私にとっては経営のバイブルといってもいい本。「もしドラ」よりもこちらを熟読されることをオススメ致します。


【こちらもオススメ】
ピーター.F.ドラッカー『経営者に贈る5つの質問』

アクセス解析

それなりの意味があって、2つのブログをずっと書いてます。

もう一つのブログは勤務先から見てくれているという方が非常に多く、そういうデータを解析すると、その日にどれくらいの割合の方が勤務先に出社されているのかということまで把握することができます。今週月曜日・火曜日はかなりの方が夏休みを取られていたようですが、今日はいつも見てくれている方の半分くらいの方が出勤されていたようです。

こちらのブログは色んな方が見てくれているようで、アクセス数は時期や曜日で左右されません。エントリーした記事の内容によって左右されます。しかし、(以前も書きましたが)こちらのブログは「深夜の遊び」に過ぎず、アクセス数を増やそうなんて考えていません。こちらのブログのタイトルの付け方のやる気の無さを見てもらえれば分かると思います。なのに、お盆休み中でも結構な数の方が見てくれているのは嬉しい限りです。なんやかんやでブログを書き始めて16年が経ちました。

【セミナー案内】プロネクサス主催 『決算早期化(30日開示)を達成する決算実務』16回目の開催!/9月5日(火)東京

プロネクサス様主催で開催してきました「決算早期化を達成する決算実務」セミナーが、毎回大好評につき15回目のアンコール開催(16回目の開催)を行うことになりました

決算早期化・効率化に課題を抱える会社の方は、是非ご来場下さい。


▼決算早期化(30日開示)を達成する決算実務(第14回)開催概要
■開催日:2017年9月5日(火)13:30〜17:30
■会場:東京(プロネクサス社セミナールーム)
■ 講師:    
   武田 雄治:公認会計士/武田公認会計士事務所 代表
■講義内容:
 (1) 決算発表早期化を実現した会社の特徴
 (2) 決算早期化を達成できない原因と解決策
   ―単体、連結、監査、開示のそれぞれについて
 (3) 決算早期化を実現する『経理の仕組み』の作り方
   ―経理部の「情報製造業化」と決算業務の「マクドナルド化」
 (4) 決算早期化を実現するアウトプット資料の改善と財務分析の方法
 (5) 決算早期化の成功事例の紹介
  ※講義内容は変更する場合があります
■受講対象者:財務・会計部門の担当役員、管理者、実務担当者


▼本セミナーの詳細・お申込みはこちら
決算早期化(30日開示)を達成する決算実務 第16回





セミナー来場者には拙著『決算早期化の実務マニュアル〈第2版〉』 を進呈
  (セミナーテキストとしても使用します)


【オススメ本】丹羽 宇一郎著『死ぬほど読書』 (幻冬舎新書)

死ぬほど読書 (幻冬舎新書)
丹羽 宇一郎
幻冬舎
2017-07-28



元伊藤忠商事社長、元駐中国大使の丹羽宇一郎氏の新刊書。

読書好きによる、読書好きのための、”読書を語る”的な本は、これまで何十冊と読んできました。読書なんて、読書が好きだという人が、自分が好きな時間に、好きなように読めばよく、あるべき「読み方」なんてなく、食事をするようにただ楽しめばよいと思います。

だけど、自分よりも遥かに多くの本を読んできたであろう方が、”読書を語る”的な本を出版されると、中身が気になって読んでしまう・・・。書斎を覗き見するような、そんな感覚で。

以下、備忘録として。

・人間にとって一番大事なのは、「自分は何も知らない」と自覚することだと私は思います。(P17)

・「無知の知」を知る。読書はそのことを、身をもって教えてくれます。(P17)

・「雑草には麦の養分を奪い、麦を枯らす。すなわち悪書は読者の金と時間と注意力を奪う」(ショウペンハウエル)(P32)

・人がいくらいいといっても、関心のないものは一生懸命に読んでも頭に入らない。蒙を啓く(ひらく)内容だといわれても、基礎知識がなければ理解できない。(P35)

・私がこれは大木だと思っている本でも、人からすれば雑草かもしれない。逆に人がこれはりっぱな本だと考えている本が、私にとっては雑草にすぎないかもしれない。(P35)

・最近、ある週刊誌の取材を受けて、その週刊誌を久しぶりに読んでみたのですが、そのくだらない内容に驚きました。(略)どうしてそうなるかというと、大衆の関心は他人の不幸を見聞きすることにあり、心のなかは「ねたみ、ひがみ、やっかみ」に満ちているからではないでしょうか。(P76〜)

・ネットの情報は週刊誌よりも、もっと断片的な細切れのものばかり。(P78)

・楽しいから読む。わくわくするから読む。心が潤うから読む。そういう気持ちで読むから本はいいのです。読書は無償の行為ゆえに無上の値打ちを持っているのです。(P100)

・私は40年以上、夜、寝床に就く前に、毎日欠かさず30分以上の読書を続けてきました。(略)その習慣が途絶えたことは1日たりともありません。(P104〜)

・私の場合は、(略)線を引いた箇所の多くは、後で必ずノートに書き写すわけです。(略)ノートに書き写す作業は、けっこうな時間がかかるので、週末の休みを利用したりしています。(略)読書は目だけではなく、手も使う。これはとても大事なことです。(P109)

・一つでも、二つでも心に刻まれる言葉があれば、儲けものと思ったほうがいい。(P145 )

・読書をするときに大切なことは、丁寧に読むというより、いかに集中するかです。(略)いざ読み始めると、どうも興が乗らない。そこを無理して読み進めても、あまり頭には入ってきません。そういうときはいったん本をおいて、別の本を読み始めたりします。(P114)

本は、基本的に身銭を切って読むものだと思います。(略)興味のある本を読むためなら、いくらお金を使っても惜しくはない。これだけは自分に許された最高の贅沢だと思っているのです。(P116〜)

・人生というものは、問題があって当たり前。問題のない人生など、どこにもない。問題がなくなるのは、死ぬときです。(略)どんなに苦しい状況に陥っても、それは天が自分に課した試練だと私は思っています。そこから逃げることなく、正面から受け止めてベストを尽くせば、必ず知恵と力が湧いてきます。思わぬ閃きも生まれる。そうして不可能だと思っていたものに、光が見えてくる。その源泉となるのが、読書と経験です。(P140〜)

数年前、「情熱大陸」で林真理子さんが出演された時に、「お金を持てるようになって良かったことは、あの国に行きたいといったら行けるし、あの本買いたいといえば買えることくらい」というようなことをおっしゃっていたのですが、これはホントに同感です。丹羽宇一郎氏も書籍代にはカネを惜しまないと書いていましたが、私も書籍代にはカネを惜しまないようにしています。ただ私と違って、丹羽氏は積ん読をしない(P119〜)、自分の預金口座にいくらの預金があるか知らない(P116)らしい。「読書」と直接関係ない話ではあるものの、上場企業の社長・会長にまで登り詰めた方が自分の預金を知らない(ワイフに委ねている)とは驚き桃の木。

【こちらもオススメ】
丹羽 宇一郎著『負けてたまるか! 若者のための仕事論』(朝日新書)
池上彰・佐藤優 『僕らが毎日やっている最強の読み方』 (東洋経済新報社)
佐藤優著『読書の技法』(東洋経済新報社)
齋藤孝 『大人のための読書の全技術』(KADOKAWA/中経出版)



世界陸上

たった1つのことに人生を注ぐ姿は美しい。

なんとなく始めたのか、誰かに強制されたのか、天命なのか、宿命なのか、きっかけが何であろうとそんなことは関係ない。何でそんなことに人生を注ぐのかという目的もどうでもいい。ただ己の夢・目標に向けて努力を継続し、1つのことを極め、圧倒的な結果を出す。そこに感動が生まれる。


私は学生時代に陸上をやっていましたので、世界陸上は見てしまいます。男子400メートルリレー決勝で、母校の多田選手を含む日本勢が銅メダルを獲得したシーンはこみ上げてくるものがありました。私なんて世界大会どころか、全国大会にも県大会にも、箸にも棒にも掛からない選手でしたが、同じ学校から世界陸上のメダリストが出るとは、言葉にならない感動があります。

ウサイン・ボルトにもこれまで数々の感動をもらいました。最後のレースは残念な結果でしたが、地に臥せる姿もまた美しい。

男子100メートルで日本人選手から9秒台がでなかったのも残念でしたが、2年後のドーハでは圧倒的な結果が生まれるのではないかと期待してます。

織田裕二に元気がなく、中井美穂がなんとなく鼻声だったことは、福島千里の今後より心配です。

夏季休暇 Day2

淡路島花さじき


沢木耕太郎さんの本の中に「旅をなぞってはいけない」と書かれていて、「確かにその通りだよなぁ・・・」と、同じ場所に行ってもホテル・観光先・食事処だけは毎回変えるようにしています。ただ、淡路島とグアムだけは「旅をなぞっている」。淡路島もグアムも人生で20回位は行ったかもしれません。理由は特にありません。なんとなく好き。これからも何度も来るのだろうと思います。

この2日で体重が1.5kgも増えてました。2日で元に戻します。

(写真は、あわじ花さじき

夏季休暇

淡路島


久しぶりの完全OFF。
淡路島にいます。



【オススメ本】前野ウルド浩太郎著『バッタを倒しにアフリカへ』 (光文社新書)

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)
前野ウルド浩太郎
光文社
2017-05-17



バッタに興味があるわけでもなく、なんでこの本を手に取ったのか未だにさっぱり分かりません。いつもと違うジャンルを覗いてみたかったのか、未知を既知に変えたい欲求なのか、何か刺激が欲しかったのか・・・。ただ、読み始めたら止まりませんでした。

著者は、ファーブルに憧れ、昆虫学者になることを心に誓い、子供の頃から「バッタに食べられたい」というのが夢になったといいます。その夢を叶えるために、31歳の時、バッタが大発生しているという西アフリカのモーリタニアへ。

日本では計画通りに研究を薦めないと、遂行能力が欠如した「劣等生」の烙印をすぐさま押されてしまう。だが、ここはアフリカだ。日本でやっていたように計画に縛られると、目の前の大切なものを逃してしまう。今回は、番外編として研究することにした。(P56)


しかし、日本語が通じない砂漠の国に単身で乗り込んだ訳なので、当然様々な苦難が待ち受けます。

まさか「バッタがいない」という状況になるとは。最悪だ。大発生すると評判のバッタが不在になるなんて、一体何しにアフリカにやってきたのか。いま途方に暮れずに、いつ途方に暮れろというのだ。

バッタを失い、自分がいかにバッタに依存して生きてきたのかを痛感していた。自分からバッタをとったら何が残るのだろう。私の研究者としての魅力は、もしかしたら何もないのではないか。バッタがいなければ何もできない。まるで翼の折れたエンジェルくらい役立たずではないか。(P166)

終始、こんな↑ノリです。

唇はキスのためでなく、悔しさを噛みしめるためにあることを知った32歳の冬。(P259)

昆虫学者がなんでこんなに面白い文章を書けるのやら。。。

文書力もすごいと思いますが、著者の行動力や、夢の実現に向けて一点集中で取り組む覚悟や、様々な苦難を乗り越えていく姿もすごいものがありますし、こういう日本人がいるのかと勇気を与えてくれます。

ファインマンさんの本を読んでいるかのような面白さでした。


自分の人生は自分で決める。

字幕翻訳家の戸田奈津子さんの字幕デビューは『地獄の黙示録』(1979年)なんですね。日本公開は、戸田奈津子さんが43歳の時。

それまで、20年にも及ぶ「下積み生活」をされていたようです。

改めて、人生のスタートに年齢は関係ないと感じます。

以下、今朝の読売新聞(2017/8/8)の戸田奈津子さんへのインタビュー記事より。
「地獄の黙示録」をきっかけに週1本、年間40〜50本というペースで仕事が来るようになりました。字幕翻訳は途中で文体が変わってはいけないので助手を使えません。配給会社の試写室で映画を見ては、自宅で延々と机にかじりつく生活が続きました。
(中略)

50代まで仕事に追われて突っ走り、気がつけば還暦。体を壊せば一銭も入らない身一つの職業ですが、幸い大病もせず、運が良かったと思います。
(中略)

結婚はせず、子どももいない――。振り返れば捨てたことも多く、好きなことを追い続けた自分を「卑怯だったかな」と思う時もありますが、「You can not have everything.(全てを手に入れることはできない)」と悟っています。

自分のことは自分で決める。これが人生で一番大事。誰のせいにもできないけど、自分の選んだ道ならどんな結果にも満足できますから。

今日は、監査法人を今月末で退職する後輩とランチをしていました。来月から新たな夢に向かって「下積み生活」が始まるようです。コツコツ努力すれば夢は叶うと思います。書きながら、鍵山秀三郎氏「10年偉大なり、20年畏るべし、30年歴史に残る」というコトバを思い出しました。「気がつけば還暦」と言うくらい長い目でコツコツやれば、おのずと結果は出るのではないかと思います。

50歳でリタイアする人間が偉そうなこと言ってますが。。。


【関連記事】
2016/9/8 成功している人たちというのは、信じがたい努力をしてる/日本電産永守重信社長
セミナー開催情報
【上場企業向けセミナー】

■日本経営協会主催主催
 (8月29日(火) @大阪)
『決算早期化を実現する実務ノウハウとポイント』

■プロネクサス主催
 (9月5日(火) @東京)
『決算早期化(30日開示)を達成する決算実務』


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プロフィール
武田雄治



公認会計士 武田雄治


●武田公認会計士事務所 代表
●中小企業支援の「黒字社長塾」代表
●中小企業のコスト削減・業務効率化支援の「バックオフィスサービス株式会社」取締役
●海外展開・クロスボーダーM&Aの「OneAsia」アライアンスメンバー
●起業支援の「一般社団法人スタートアップエンジン」理事



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